芸術をどんな形でも追求している全ての人にお勧め。そして自分の作っているもの、進んでいる道に確信が持てないひとに読んで欲しい。自分は間違っていなかったということを確認できます。この本が書かれてから半世紀。まだまだ新鮮で衝撃的な言葉で溢れています。
「お婆さんの寝室にあったモナリザの絵が怖くて近寄れない」、これが私の芸術作品に触れた最初の一歩だったことを、この本を読んで思い出しました。心地よさや安らぎを求める現代に、岡本太郎の力強い言葉は、未だに多くの人に共感を与えることと思います。今日の小さなウィンドウで広げられるインターネットの世界を前にしたとき、岡本太郎だったら何を感じ、そして何を与えるのでしょうか。その答えを持った、岡本太郎を超える芸術家たちは、本当は、身近にいるのかもしれません。
これが30年以上前に書かれた内容だなんて信じられない、というのが最初の感想。岡本太郎氏の感覚は30年先をつっぱしっていたんだなと思います。ようやく時代が彼についてきたという感じ。じっくり読んでもまったく古臭さを感じない。彼の言葉を借りるとすれば、「新しいといわれる時点で、もう既に古い」。時代を追いかけてばかりではこんなものは書けないと思います。芸術に興味のない人にも是非読んで欲しい。でもみんなに教えるのはもったいないかも。