岡本太郎さんといえば「危険な方に賭けろ!」に象徴されるような完成された生命爆発論(?)が有名ですが、それはあくまでも数々の出来事を経て得た境地なのだなと思わされます。<P>というのは、この本の岡本太郎さんはまだ若く、そこまでの強さ、決意は感じられないのです。<P>その代わり、とても初々しくて、へえー岡本太郎にもこんな時期があったんだなと親しみを覚えることができます。<P>太郎さん唯一の小説を読めるのも嬉しいです。でも、「あー太郎さんは文学の道に進まないで正解だったかも?」って思っちゃいました(笑)。独特の世界観は興味深いけれど、読者として入り込みにくい内容でした。<P>とはいえ、若き日のちょっと弱い(?)岡本太郎を知れるので、「ファンなら買い!」の一冊だと思います。
「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんの爆発前夜のエッセイ集です。<BR>父、岡本一平さん、母、岡本かの子さんの事が詳しく書かれています。<BR>どのような親子関係だったのかわかります。<BR>芸術一家の独特な精神の営みの奇跡が辿れます。<BR>感性の人、岡本太郎さんの人物の成り立ちに迫ります。<P>中でも、「青春の森」は恋愛小説なのですが、青春の葛藤を描いた、名作だと思います。