現在の小泉内閣の経済政策を運営する面々が皆米国での教育を受けており、日本をアメリカの様な貧富の差が激しい資本主義国に<BR>変革しようとしている、またその過程で自分達が官僚らとともに更に勝ち組みの金持ちになろうとしているという論点や、<P>昨今のデフレが企図されたもので、それも一部の金持ち階級を潤す為の施策である、という論点は実に読んでいて面白く、またそれなりに説得力があります。<BR>その一方で取り残される大部分の市民達が今後生きていくうえでの価値観の転換を促すあたりも、庶民派エコノミストの真骨頂ですね。<P>また、金持ち再生産の過程である教育問題は、真新しい話ではないですが現実問題として切迫感を持たされます。東大生の親は、金持ちが増えてるんですね!<P>軽く読めて!考えさせられる、オススメの一冊です。
私はかなり深刻に今回の著書のメッセージを受け止めました。それは、確実に社会が変わって行く中で、いつも決して変わる事のない基本的な事実は、私自身も含めて、9割以上のサラリーマンは何の特徴も売り物もないという厳然たる事実なんですよね。そのなにも特別な価値をもたない私たちのサラリーマンとしての時間が、今はやりの”絶え間ない時価評価”なるものに、さらされるとすれば、この300万というのは、非常にリアリスティックな話なんですよね。つまり、普通のサラリーマンにとっては、最初の時点から、収入という意味では、将来のキャッシュ・フローの現在価値がすべて想定できてしまうという退屈な社会になってしまうわけです。したがって、もうサラリーマンも別な領域に生きていく価値を見出しましょうというわけです。その中で、どこかの時点で、ある一瞬でも想定していなかった経済的な価値が見出され、森永さんのように、このように著書が売れるようなこともあれば、それもまた楽しからずやということでしょう。でも森永さんのようなこのような本を矢継ぎ早に出す才能なんて、誰にもないもんね。森永さんが過去の著作でご推薦の不倫もなかなか年収300万じゃできないしね。そうすると森永さんには、次には、”年収300万円の時代の新しい不倫”という本でも書いてもらいましょうか。
ぎょっとするタイトルですが、著者がいう「貧富の差の拡大」が今後必然であることは読み進めるうちにいちいち得心させられます。ただ、本書は「1%の金持ち」以外の圧倒的大多数のひとびとの不安を徒にかきたてるような内容ではありません。そんなに心配することはないんだよ、と「貧乏人の心構え」を説いてくれます。<P>今の時代サラリーマンをやってるのはどこでも大変だと思いますが、この本読むとほっとさせられる人は多いのではないでしょうか。そんな「ラテン本」です。