古典制御,現代制御の内容を,モデリング,制御系設計の視点から<BR>捉え直して解説した意欲的な著書と思います.特に設計問題については,<BR>周波数領域の重要な概念をおさえた後に,状態空間での設計法が述べられ,<BR>最後に古典制御の設計法をまとめるなど,読者を飽きさせない工夫がされている.<P>また最適レギュレータ問題など一部の設計理論では,かなり高度な<BR>設計法についても丁寧な説明があり,さらに進んだ内容を志す方々に<BR>多くの示唆が含まれています.<P>制御工学の一般的な教科書として十分な内容を備えており,また制御工学の<BR>修得を志す技術者にとって好適な書でしょう.
制御工学というと、式の展開がなかなか追いにくく初学者にとっては敬遠されるかもしれません。<BR>一見したところ、この本はその点が丁寧に書かれていると感じました。<BR>演習問題は厳選されていて、その解答も詳しく書かれています。<BR>古典制御理論と現代制御理論およびそれらを応用した<BR>制御系設計法について要領よくまとまっています。<P>古典制御では、例えば、周波数応答の意味について、その定義にしたがって厳密な導出がなされています。<BR>多くの制御工学の本では簡略されがちなところです。<BR>また、現代制御では、最適レギュレータの導出はもちろんのこと、<BR>重み行列を定めるための設計法(折り返し法)について詳しく書かれていて、<BR>他の教科書には見られない特徴となっています。