「金持ち父さん」もそうですが、この本で確実に金持ちになるのは著者だけです。自分で海外投資するよりも本を書いた方が確実に儲かりますから。読む側はこれらの本がなぜ書かれるのかを考えてみるべきです。そしていらないと判断できる知識・眼力を身につけるべきでしょう。それまでは永遠に敗者の側から抜け出せません。そういう意味では前半部分は全く意識がなかった人にはキッカケとして役に立つでしょう。税制にしろ、海外投資にしろ勉強するにはこの本より優れた本がたくさんあります。PTは実際にワークするのかどうかかなり疑問です。
お金持ちになるための究極の「黄金の羽根」が、Perpetual Traveler(永遠の旅行者)になって合法的に税金を納めないこと、というのでは「題名に偽りあり」といわれてもしかたないでしょう。しかし、この大げさな題名と中身とのギャップに目をつぶれば、それなりに有益な本であることは間違いないです。個人の資産運用のあり方、生命保険、失業保険の本当の意味、公的年金の矛盾、サラリーマンと法人の間の制度差別、税務調査のウラ事情など、身近なお金にまつわる盲点が分かりやすく解説されており、かなり勉強になりました。内容は多岐にわたっていますが、貫かれているメッセージは「知識がないことで損するのはバカらしいことだ」という一点です。
本書を読んで分かったが、単なる節税の本ではない。感想は個人の受け止め方によるが、私自身としてはとてもやるせない感情を憶えた。節税のテクニックより、矛盾極まりない日本の政治構造に落胆させられた。これほどまでにストレートに裏事情を著した本は初めてであるため、読んでおいてよかったと思う。ただ、誤った捉え方をすると重大な罪につながる恐れもあるため、良否の判断は読者に委ねられる。