映画化されるということで、手にとって見ましたが、表題作も他に入っている作品も、心あったまるお話ばかりでした。<BR>人の心の暗い部分も、やさしい部分も、自分に近い言葉で書かれていたので、素直に感動しました。<P>サクラサクが一番のお気に入りで、いつも当然のことのようにそこにいる家族だからこそ、<P>もっと目を向けて、優しさを持っていかないといけないんだな、と思いました。
私も正直期待していませんでした。<BR>最近、タレントが本を出すのが、流行っているというか、「せっかく有名になったんだから本を出さなくちゃ損」みたいな風潮があるじゃないですか。<BR>これもその手の本かなっと・・・。<BR>ただ、映画化され、そのCMがちょっと印象的だったので、読んでみる気になりました。それと「解夏」って何?という気持ちもあって・・・<P>実際には表題作の他に3作あり、「解夏」自体は90ページほどの短いお話でした。ちょっと物足りなかったかな。ストーリーも「解夏」の意味も深く、だからこそ、もっと語って欲しかった。<BR>おのずと映画の「解夏」が気になります。(春からTVドラマも!藤木君にも期待!!)<P>他の3作もすべて感動しました。表題作以上に作者の実力を感じました。<P>文章というのか、作者の人をみる目というのか、とにかく読んでいて「やさしさ」を感じました。<BR>希望をもてる、人間が好きになれる、自分を好きになれる、そんな一冊だったと思います。「精霊流し」もぜひ読んでみたいと思います。
ストーリー全体は良くも悪くもドラマ仕立て。全体の流れはまとまりがあり読み易い。哲学的な側面や、教訓も、それを読者が受け入れやすいように書き方が工夫されている。読んだ私はと言えば、電車内で嗚咽しそうになった。登場人物たちの織り成す物語は確かに感動的(感情刺激的)なのだ。また、背景に仏教や日本の伝統的人情などを折込み、著者の考える”日本人本来の姿”も伝わってくる。<BR>反面、ストーリーが”出来すぎ”で登場人物も”作られ過ぎ”の感がある。あくまで”陽”の立場から描いた作品で、等身大の人間の陰陽を描ききった感は薄い。「後口は以外に淡白」と言えば伝わるであろうか。