この時代のことを理解している人が読むと良書である。<BR>まあ意味がわからない人がこういうことが出来るのだと想像するという読み方も悪くない。
如何に浮き沈みの激しいのが相場師の宿命とはいえ,想像を絶する修羅場である。この点においては,勝てばカネから女まで何でも思いのまま,負ければ命もろともすべてを失った戦国武将と生き方が重なり合う。常人にはとても真似のできることではないが,ただ,著者がこれまでの経験から得た,マスコミや当てにならない評論家が繰り返すプロパガンダによって植え付けられたつまらない先入観や常識に捕らわれず,何が「正しい」のかを見抜く目を持つことが重要だという主張は,ささやかな小金持ちを我々目指す凡人にとっても大いに参考になる。巷間流行の,何とかの壁などという本を読んで,妙に訳知り顔のオヤジになるよりかはどれほどかマシである。
氏の復活劇はたいしたものだと思うし、読み物としてとても興味深い。<BR>だが、氏のあとがきの数年で再びITバブルが来て、その後、地獄になるという話に、私はノストラダムスの大予言を思い出してしまった。<P>今の30代から40代は、子供の頃に異常なまで繰り返しテレビでノストラダムスの大予言を見せられたせいか、この手のドラマチックな破綻の未来像からどうしても抜けきれないでいる気がする。<P>確かに氏の言う地獄は来るだろう、だが、経済的な破綻が人間としての幸福と関係するのだろうか?その点に関しては、いま少し冷静に考える必要があるのではないだろうか?私は、我々の世代の黙示録予定調和願望の不幸の方にどうしても思いを致さずにはいられない。