アニメ史上最高の名作だと思われる「新世紀エヴァンゲリオン」。<BR>従来のアニメと違い、「答え」それすらも視聴者が自分で見つけなければならないのだ。そして多くの謎を残したまま終劇を迎えたこの作品について、実に分かりやすく、丁寧にまとめた本だと思う。<BR>解釈とは何か?の記述によりエヴァの見方が変わる。<P>かつて熱狂的と言われたファンのうち映画を見て批判してる人々は、所詮アニメをゲームと同列に捕らえ、型にはまったラストを求めたが、それではもはや「エヴァンゲリオン」とは呼べないのである。<BR>あの抽象的なラストを肯定的に捕らえられるようになるであろう一冊<BR>是非、御精読あれ!
エヴァンゲリオンは、数ヶ月前に小学生の子供からねだられて、DVDを初めてレンタルして、そのままハマってしまった者です。<BR> 中古の本や、コミックを買いあさり、リニューアルのDVDも現在買っているが、物語を見れば見るほど謎が出てきた。<P> インターネットや中古の本で情報を収集してある程度は、謎が解明してくるが、全て解決するわけではないし、自分が気ずかない謎もある。 そんな謎を、自然なストーリ展開で解釈できるようにこの本は、解読している。また、エヴァの映画が完了した後で、書かれている本なので、それまでの解読本やネット上の解釈について、発生する矛盾や不具合を指摘し、別の考察で検討・解読している。<BR> 購入した私としては、大当たりの本という感じを持っています。?。
90年代を代表するアニメ作品となったエヴァンゲリオンの、社会現象とまでいわれた一大ブームは、作品の結末がファンを突き放すような難解さをともなっていたためか、急激に沈静化してしまった印象がある。一方で整理や理解されないまま残された数々の謎にすっきりしない思いが残っていた。その後、DVD発売といったタイミングで作品は修正・改変が施されてきたが、こうした最終版の作品をベースに作品解釈に取り組んだのが本書である。<P>本書の著者は“作品中に無駄なセリフはない”、“ちりばめられた言葉は何らかの意図が込められている”、というスタンスから、作品中から材料をたんねんに集め、つなぎあわせ、推論を行い、作品を読み解いていく。時としてアクロバティックな推論もあるが、それと!断った上での説明なので、違和感はない。<P>読後、エヴァンゲリオンに対する理解が極めてクリアになることを保証する。この本の内容を受けて、再度作品を見直すと、その重層的な構成やシリーズ内にちりばめられ、作品テーマとして収斂していくさまざまな伏線ひとつひとつにいまさらながらに驚嘆してしまう。<P>もちろん本書をもって解説本の決定版とまで決め付けるものではない。中には首肯しかねる説明もあるし、触れられていない部分があるのも事実。ただそうした部分はごく一部にすぎない。本書は、エヴァンゲリオンという名作を理解・再認識する上で、いまのところ最良の一冊ではないかと思う。<P>最後に苦言を言えば、自分のスタンスをきちんと説明した上で推論を行う著者の姿勢は好感がもてるが、時々筆がす!べったように著者自身の経験談などが顔を出すところはちょっといただけなかった。