摂食障害という病気の説明、苦しんでいる人の性格的特徴や原因、治療についてのかなり詳しい情報が、満載されている。専門用語とその解説も、ある程度書かれているが、一般の人が読んでも難しくない文章だし、本文のイラストを見ても、威圧感を持つことはないだろう。女性に多いと言われる病気なだけに、女性に好まれそうなデザインの工夫をした本だと思う。私はこの病気は、必ず治る病気だとは知っていたが、特に専門的な治療法について知りたかったので、とても重宝した。
専門家がイラストを多くまじえながら一般向けにわかりやすく書き下ろしながらも、必須な情報が満載されており、専門家も知識の整理に好都合。基本的に認知障害といわれている摂食障害であるが、現代日本ではますます増加しており、患者が専門家に適切に送られていないで、病名も知らずに苦しんでいるといわれている。その予後の悪さからいってもっと一般にも理解されてよいはずだが、マスメデイア的にはスタイルのよさを女性美とする戦略でモノを売っているためか、むしろ患者を増加させる一因となっている。この本は具体例をあげて患者心理をうまく描出し、穏やかにアドバイスしている点に好感がもてる。