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不肖・宮嶋 死んでもカメラを離しません ( 宮嶋 茂樹 )

生き方無茶苦茶だ。<BR>プロカメラマンはこれぐらいのプロ意識&根性なければならないのか。<P>実際の撮影カットが入っており、そこに至るプロセスをぐいぐい<BR>文章で惹きつける。<BR>その1カットに至る、ものすごい執念やそのストーリーが面白い。<BR>麻原を撮らえた1カットとそのプロセス。一読あれ。

記者連中とは仲良くはなれないが、けっこうカメラマンとは親しい。文屋はいざとなったらキーボードを叩いて、見てきたようなウソをつけるが、カメラマンはいまんところ、CGの技術が新聞読者をあざむくほどには現実にはおっついていないので、その瞬間にいて、しかも決定的瞬間を切り取らなければならない。<P>当然、リアリストになる。しかも、ペシミストではすぐに潰れるから、残ってくるのは気持ちのいい職人が多い。<P>宮嶋さんは文章はうまいし、写真もうまい。パソコンは相変わらずヘタだと聞いているが、インマルかついでアフガンからニュースステーションに生でコメント送るぐらいはできる。なかなかだ。<P>「どこかで物事はじけると、イソイソとどこにでも行ってしまい、いかなる思想も知識も乏しく、何の感激もなく、単なるミーハーであり、お祭り騒ぎが好きで、犠牲者が多いほど喜ぶという、トンデモないフリー・カメラマンのことである」というのはp.74に載っている至言だ。<P>美しいほど完璧な現代の批評だと思う。カミュは『転落』の中で20世紀の人間を「新聞を読んで姦通した」と簡潔に定義しているが、それに匹敵するアォリズムではないでしょうかね。

彼の本にはいつも真実があふれている。<BR>虚飾ではなく自らが身を持って体験し、<BR>その結果あふれ出てくる言葉がつむがれている。<BR>時に彼の言葉は世間一般(この言葉も怪しい限りだが)から<BR>逸脱し、過激に聞こえることがあるかもしれない。<BR>しかし、私は彼の体(頭ではなく)から出てくる言葉を信じたいのである。<P>この本では彼が権力と戦い、巨悪に立ち向かう姿が<BR>相変わらずアホらしく描かれている。<BR>(不肖宮嶋流に言えばシブイ姿か?)<BR>しかし、あの麻原ショウコウの拘置所の写真のスクープの秘話など、<BR>笑いの中に垣間見える真実の恐ろしさに<BR>私はいつも気付かされ、それゆえ彼の著書を買い続けてしまうのだ。

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