「のだめカンタービレ」などですっかり大御所・二ノ宮知子の原点(?)!<P>本書は1996年に刊行されたコミック(FCgold)の文庫版。酔って記憶をなくしたことのある人は必読の一冊です。強烈なキャラクターの酔っぱらいたちが繰り広げる怒濤の日々が25本の短篇で綴られています。愛すべき、でも、ちょっと(かなり)迷惑な酔っぱらいが二ノ宮ワールドで大暴走。<P>二日酔いで落ち込んだときなどに読むと、本当に心が癒されて慰められること必至です。私も数冊買って酔っぱらいの友人共に配ろうと思います。<P>なお、この完全版にはFCゴールド版には未収録だった「よっぱらい研」短篇1本、「飲みに行こうぜ!!」全2本、二ノ宮さん自身の結婚秘話「瀬戸の花ムコ」全2本、エッセイ・マンガ「チビが来たりて紙を食う」「九死に一笑」が収録されています。どれも切れがよく秀逸。二ノ宮知子は実にセンスのいい漫画家さんだと実感。
著者の酔っ払いエピソード満載のこの本、良いです。この絵柄で、酒に関する滅茶苦茶なエピソードってのが新しいくておかしい。お酒とロックを好きな女性に悪い人はいないってのを再確認しました。でもちょっと不満なのは、著者の育ちの良さというか美学なんでしょうが、ギャグ一辺倒で、ドロドロのところまでは踏み込んでないところ。例えば酒にまつわる男失敗ネタとかさ。あるはずだと思うし。そういうエピソードまで晒して自分を笑えたら、これは芸術ですね。だから飲み方がまだ文化祭だ、と次回作への大いなる期待も込めて厳しく言ってしまおう。あと後半の読みきりマンガ、僕はいらないです。
よっぱらい研究所所長の二ノ宮知子と、その研究員たちが繰り広げた、そんな酔っ払いいるのか~!と思わず抱腹絶倒してしまう、とんでもない酔っ払いの酔っ払いによる酔っ払いの為のマンガエッセイ。お酒を呑む人には、思い当たる節がありつつも、その豪快さには遠く足元にも及ばないと、ある種羨望の眼差しですら眺めてしまいたくなります。ちょっと仲間に入れてもらいたいと思う反面、こんな人達周りにいたら困るかも?と言う、絶妙さがマンガで体験できるのが嬉しい一冊。完全版と言うことで、未発表のものも掲載されているので、これ一冊で浮世の憂さすらも笑い飛ばせる、お得な本だと思います。