本書は、新撰組隊士永倉新八が自らが生きた時代を書き綴ったものである。永倉新八が晩年に書き残したものなので、記憶違いなどから多少史実と異なる点があるし、やや永倉新八の自己讃美的傾向の嫌いはあるが、彼があの時代を生き感じたことは事実である。そういった面でも、本書は大変価値のあるものである。<P>新撰組に興味のある人には一見の価値のあるものかもしれない。
新撰組に関する書物はとても多くありますが、これは実際に新撰組隊士として生きた人の記録です。現在の私たちがその内容について間違ってるいると全否定はできないのではないでしょうか?現在「史実」と言われているものは現代人が現存している文献や資料を読み取りそこからあくまで推測したものです。ですからまずはこの永倉さんが残してくれたものを第一の記録として理解することが大切だと思います。あの幕末の世の中を生き抜いた人は私達現代人ではなくこの人なのだから。
本書は現代仮名遣いで書かれており、現代人の私たちでも難なく読むことができます。しかしながら、これはちょっと奇妙なことです。昭和初期に出たものがなぜ現代仮名遣いで書かれているか・・・。復刻のときに誰かが現代仮名遣いに変換したのに決まっています。表記について書かれたレビューが見うけられますが、そういうことも考慮に入れてほしいと思います。どこまでが原著の表記だったのか・・・。<BR>「史実と異なる」との表記も見られます。ですが、幕末~明治初期を生きた人は今はもう生存してはいません。他の史料と合ってない個所があるとすれば、こちらが違っているか、向こうが違っているかです。どちらが正しいと、現代人の私たちがどうして言えましょうか。多数決? 変ですよ。