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| 狙うて候―銃豪村田経芳の生涯
(
東郷 隆
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薩摩藩の藩士であった村田経芳の人生を通して、その間に薩摩藩および日本の銃器体系がどのように変わっていったかということがくわしく書かれています。それまでの日本では銃といえば火縄銃でしたが、外国製銃器の輸入やそれに影響を受けた国産銃器の開発によってフリントロック式、後装式、金属薬莢式というように進化していきます。無論、その進化もスムーズに進んだわけではなく、新型銃の開発はもちろん外国製銃器の輸入においてもさまざまな問題が発生していきます。そのような問題を乗り越え、さらに戊辰戦争や西南戦争などでの実戦経験を踏まえながら「村田式小銃」がどうやって開発されたのか、幕末から明治維新にかけての日本の歴史を斬新な視点から読み解くことができる一冊です。銃器や戦史に興味のある方はもちろん、歴史一般に興味がある方にも間違いなくオススメできます。
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