どんな組織も末期的な状況になれば、末端に行けば行くほど蛸壺状況になって、それ独自の価値観と行動様式を持ち、全体の目指す方向とは自立的に行動することになる。<BR> 本書はこのような末期的な状況が、メガバンクの支店に起こっていることを指摘しており、末端組織で起こるドタバタ劇を、そのメガバンクに見切りを付けた作者が描くものである。<P> 銀行に入行した大学の同期が、新人時代に些細なミスで、支店長の前で土下座させられたという話を聞いて「まさか」と思ったが、どうやらそのようなことは本当にしかも頻繁に起こっているようだ。<P> 支店の幹部は、人事権を握り、下から評価されないことをいいことに、支店内で好き勝手なことを行っているようである。一方、その逆境の見返り?か、銀行員は概して高給のようであり、支店のロレックス率は8割を超えているとの記述も見られる。 <P> 本書では、セクハラをはじめとした噴飯ものものの事件、体育会系的な陰湿ないじめなどが描かれているが、もちろん作者の過剰演出的なところもないとはいえないし、あげあし取りとしか思えない面もあるが、メガバンクの現状に対する問題提起としては悪くないと思われる。ただ、体系的な問題提起と言うにはほど遠く、何度も読み返すということにはならない。<BR> <BR> しかし、読み終えてため息をつきながら思ったが、銀行のトップは銀行改革を叫んでいるが、ここで示されているように支店のような末端組織が組織の体をなしていないことを十分に認識しているのだろうか。<P> また、全編を通じて支店の幹部は顧客の方を向いていない(顧客軽視ともいえる)雰囲気が漂っており、これを読んだ人の都銀離れ(取引、就職の両面)を引き起こしそうである。
リアルです。<P>私は、この本の前身であるメルマガを購読していました。<BR>はじめの頃は<BR>「大げさだろう」とか「この人の銀行・支店だけが異常なのでは」とか<BR>そんなやや冷めた目で読んでいた記憶があります。<BR>この本を読む方々も同じように思われるかもしれません。<P>しかし、自分自身が同じ立場に身をおいたとき、この本の内容を理解することが出来ると思います。<P>就職活動で、夢を持って銀行を志す学生諸君に是非読んでいただきたい一冊です。
読んでいて腹が立つ。<BR>これが本当だとすれば犯罪的である。<BR>作者の今後が気になります。<BR>テンポが良く読みやすい本だった。