この本ほどわかりやすく指導のポイントをまとめているものはない。よく「よい練習メニューはないか」と聞かれるが、どんなに練習メニューがよくっても指導のポイントがわかっていないと意味をなさない。逆にすでに知られているメニューでもポイントをまとめて指導できると意外なほどに選手は上達するのである。<P> この本は以前、日本サッカー協会の機関誌『JFA』に連載されていた著者の『サッカーはサッカーをすることによって上達する(題名は違うかも?)』というコラムを一冊にまとめたものである。当時のトレセン指導時のバイブルでもあった。
サッカーの指導の本は最近、たくさん出ているが、ここまで実践的かつ現場で役立つ本はなかったと思う。サッカーの戦術の基本となるマークの原則やアプローチの原則、チャレンジのプライオリティなどU-12やU-16年代で必要な1対1や2対2のグループ戦術の原則が詳しく説明されている。私も初めて読んだ時はマニアックな本だと感じたが、実際に指導しながらこの本を読んでいくとその言っている内容が次第と理解できてきた。トレーニングメニューとしては非常にオーソドックスなものであるが、個々のトレーニングについてテーマとポイントが明確に書かれており、指導者にとってはバイブルになり得る本。書かれているレベルとしては日本サッカー協会の公認少年少女指導員から準指導員の講義で出てくるような内容が盛り込まれている。又、世界各地の選手育成方法やシステムの解説、指導者の在り方の面など指導者としての心構えについても述べられている。ユース年代の指導者は一度読むことをお勧めする。