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| エンロン 内部告発者
(
ミミ シュワルツ
シェロン ワトキンス
Mimi Swartz
Sherron Watkins
酒井 泰介
)
企業経営におけるコーポレート・ガバナンスは極めて重要なのである。しかし、難しい。かくあるべし、という書物から学ぼうとしても、なかなかそうはいかない。困難ばかりにぶち当たる。<P>むしろ、かくあってはならない。絶対にならない。さもないと会社だけでなく、個人としても破滅を迎える。そのことを心底学ぶうえで、この一冊は欠かせない。<P>内部告発者であったワトキンス氏と、エンロン社の地元であるヒューストンの新聞社のライターとのコンビは、極めて高い質、そして確かな事実検証に基づく、かくあってはならないというケース・スタディとなる一冊を世に残した。<P>取締役会と執行幹部との関係。CEOとCFOとの関係。経営陣と監査法人、顧問法律事務所との関係。そして、極端に高額のボーナス。巨額㡊??ディールとそのディール額にリンクしたボーナスに釣られて、最優秀のビジネスパーソンたちが策を巡らし、暴走する。<P>このような一冊が残るあたりに、アメリカの企業社会の健全さを敢えて見て取るのは強引だろうか。<P>いち早く邦訳が出され、そして、多くの企業経営に携わる人々が、そこから学ぶべきを学ぶという状況が、日本にも現出してほしいものだと思う。<P>企業は公器である。<P>当たり前過ぎるが、この本を一読した後で、たどり着くのはこのあたりである。そこから企業の在り方を設計しなおすということなのだ。多分。
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