生産管理という仕事をしたことがない人でも、内容が分かりやすくて、家庭・仕事の「問題解決」を行うためのプロセスが凝縮されているように感じます。<P>また初っぱなから「工場閉鎖の危機」=「会社でいうところの倒産危機」というショッキングな序幕から、主人公のアレックスが周囲の人の知恵を借り、思考をこらしながら一つ一つの改善を図ることで、工場ひいては会社を救うヒーローのようなキャラとして描かれているところが痛快でした。<P>もう一つは、主人公のアレックスの言動、人の動かし方はデール・カーネギー著の「人を動かす」の内容にも精通する点が多々あり、管理者としての考え方・人との接し方なども参考になると思います。
私自身が、製造会社で働いている事もあり、自分の会社と照し合せて読んでいました。小説としても面白いですが、会社とは、実際どうあるべきか、本当に大切なのは何なのかを改めて考えさせられる内容です。読んでいると、実際書かれている内容は、さほど難しくありません。人によっては、「そんなの常識」と思った人も多いかと思います。<P>しかし、製造に限らず、複雑化する会社組織の中で、常識と思われる事を実践していく事の難しさ、プロジェクト等、複雑化されてはいるが、中身が無いといった事を感じている方は結構多いのではないでしょうか。この様な状況下で、出来るだけ多くの人、特に会社トップの方に、一読してもらい、冷静に本当に今何をすべきなのか、考えてもらえる良い機会になればと、個人的!に望んでおります。
物理学からヒントを得て、同著が書かれたことに納得。<P>生産現場の改善よりも、そこで働く人たちの意識改革が非常に難しいことを改めて、思い知らされた。<P>どんな優れたシステムや体系であろうと、それを運用するのは感情とプライドを持った人間である。そこが、一番やっかいだ。