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| 「考える」ための小論文
(
西 研
森下 育彦
)
現代は、一般人でも容易に文章を公開できる時代である。昨今では、久恒氏による“図解ブーム”による自己表現のヴィジュアル化が進んではいる。もちろん、そうしたヴィジュアル思考、右脳思考は現代人、とりわけビジネスマンにとって必須のものとなるだろう。しかし、図解は簡潔に相手に理解させることはできるが、人の心をうつことはできない。その人の心をうつための文章表現の技術、及びネタが本書にはちりばめられている。小論文というと大学受験や就職試験を思い浮かべる人が多いかもしれない。本書で扱っているのは主に大学受験の問題である。しかし侮ってはいけない。確かに、大学受験の小論文は文科系のネタが多い。アイデンティティや相対主義といった哲学的なネタが多いわけだ。これらは得てして実務的ではないと思われてしまう。しかし、こうしたステレオタイプに陥ってしまってはいけない。卑近な例で申し訳ないが、私自身の専門はマネジメント、とりわけe-マーケティングやストラテジーといった、本書の内容とは一見無関係に思えるようなものである。しかし、私は本書に多大な恩恵を受けている。文章を書くとき、久恒氏の主張するような図解思考や、トニーブザン氏の提唱する放射思考でまず全体の構図、アイディアをまとめるのが私の流儀である。しかし、これだけでは人に訴えかけることができないことが最近になってわかってきた。確かに、義務的な会社文のようなものは簡潔明瞭が大原則だが、例えばドラッカーやトム・ピーターズといったマネジメントの大家の文章は簡潔明瞭なだけだろうか。どちらも独自の文章的思考法により、味わい深い文章を書くことができたからこそ今日の彼らがいるのだと思う。本書は文章トレーニング教本としては極上のものだ。学生なら必ず、社会人の人でもぜひ手にとって読んでほしい本である。
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