知っておかないと人と話がかみ合わないことがあるかもという意味で、<BR>いわゆる「教養」です。大学受験をする年齢から大学初期までで<BR>あれば、現代思想のさわりを新しい知識として噛み砕いて解説して<BR>くれている良い本ですし、受験にも役立つにちがいありません。<BR>それよりも上の年齢であっても、大学文学部の教授である著者が<P>受験国語をネタに舞台裏をのぞかせつつ、教養としての現代思想の<BR>再整理をしてくれます。楽しい本です。<P>受験国語の出題文(受験問題そのものだけでなく)を解説する形で、<BR>いろいろ教えてくれます。詳しくは目次参照で。
この本は大学入試の問題を題材としながら<BR>現代思想のエッセンスを学べる値段の割にお得な本です。<BR>ちょっと堅い本を読んでみたいなという人、受験を控えてる人、<BR>知識欲のある人にはお勧めです。<P>読みやすく、分かりやすい語り口で現代思想を説明していく<BR>ので興味がありながら挫折した人には特にお勧め。
タイトルにもつけたように、大学受験国語を教養として解釈する著者の視点は興味深い。現代的な水準での思考の枠組を教養として身につけたい方にはとっかかりのよい入門書となるだろうし、広く教養について考えるよい機会になると思う。受験国語と聞いて目を背けてしまった方もあるだろうが、本書はそのような堅苦しさを感じられない軽妙な文章で書かれている。ただし、そのことがかえって著者の芯のなさを感じさせることもあり、評価は分かれるだろう。本書の構成は実に丁寧で、2項対立から始まり現代思想の思考的枠組の基本的なカテゴリーについて順を追って説明されている。各章末に適当な参考文献があげられており、さらに理解を深めたい方にとっても親切であり、その点は気に入っている。また、吟味された受験問題を使用することで、文章の論理的な構成を解説してくれるということにもなっている。