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| 議論術速成法―新しいトピカ
(
香西 秀信
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ハウツー本のようなタイトルだが、内容は議論をテーマにした文章のアンソロジー(抜粋集)に近い。なぜか。著者自身が議論に勝つためには、議論のパターンを理解することが大事であるという立場に立っているため、様々な論争文を引っ張ってくるからだ。これが実に楽しい。<P> 最も頻繁に引用されるのはいずれも論争家として知られる福田恆存、呉智英だが、このほか渡部昇一、清水幾太郎、山本夏彦、大江健三郎、丸山真男・・・。はっきり言って本文よりこの引用のほうが面白いくらいだ。だがこれは著者にとって何ら不名誉なことではない。これほど楽しい論争文ばかりを選んだ著者の手腕もまたたいしたものだからである。
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