本書は、新聞の書評欄等で結構高い評価を受けています。確かに、著者のフィールドワークに対する意気込みが伝わってくる点などは評価に値します。また、実施したフィールドワークに対しては”すぐに”本という形で結果にするという姿勢も好ましいものと思います。<P>しかしながら、フィールドワークに対する私見が若干冗長に語られている点は、飽きが来るとも言えると思います。フィールドワークをどの様に行うかという点よりも、現場を大切にするという姿勢とそれをすぐに結果にするという姿勢を評価しつつ、読み進めるべきと思いました。
内容に関する書評は先達にお任せするとしまして、<BR>タイトル読み間違えないように一点!<P>『現場主義の知的「生産性向上」法』ではないです。<BR>製造業をやっていましたのでIE,VE,QCなどを期待してしまいましたが、<BR>そんなものはいっさい見あたりません。<BR>内実は筆者の『現場主義の「知識の」生産法』です。<BR>作者が製造業に関する著作を出しているため、<P>読者側の恣意的なタイトル読み替えに注意です!<P>などと言いつつ、「現場主義」の思想には大いに賛同できます。<BR>知識の整理術本ではありますが、仕事柄あんがい参考になりました。<P>蛇足になりますが、<BR>清水義範の『国語入試必勝法』というタイトルの短編小説集がありました。<P>かなりの高校生が参考書と間違って買っていましたが、実は僕も間!って買ってしまったクチです。<BR>ところがこれまた参考になりました。<P>ガチガチの読書志向ではなくて、たまには寄り道して、<BR>別の角度から見るのもいいよ、って教えてくれる息抜き的な一冊でした。
「知的生産法」とありますが、この本にノウハウを期待してはいけません。本著は関先生の人生論です。先生は、現場を愛することの重要性を何度も説かれています。落ち込んだ時のカンフル剤として、ときどき読み返しています。