この本は白雪姫をはじめシンデレラ眠り姫と従来の少女達のシンデレラコンプレックスを著し、これらのお姫様がすべて王子様を待ち続ける単なる受身の人生を学生達の生の声から分析してゆきます。そして最後は映画エバーアフターからとても積極的なシンデレラの評価に移ります。hじょうにわかりやすい本で誰でも気軽に読めると思います。
一気に読んだ。でも第六章と、「おわりに」は、胸に熱いものがこみあげてきて、ときどき本をおいた。経歴から言えば、若桑先生はまぎれもないエリートである。なのに、インテリのいやらしさや特権階級意識がまるでない。この本を貫いているのは、学生たち(そして読者であるわたしたち)に対する、温かくて熱い励ましだ。若桑先生はこう書く。「ここに登場した女子大生は、東大に行ってエリート官僚になるような女性ではない。しかし、社会の基盤を支えてゆく国民の大部分を占める一般の女性である。いわば未来の日本を支えてゆくのは彼女たちである。そこにはどのような受験科目によってもはかることのできない叡智がある」<P>読み終わってすぐ、本棚から「都市のイコノロジー」をひっぱりだした。そこに!温かくて、熱い、闘う若桑先生がいた。「社会で最も弱い者を中心にして生きるのが文化で、強い者を中心にするのが野蛮」だという言葉に深くうなずく。「小さな市民」というエッセーは、読み返すたびに胸がじーんとする。<P>ほんとうは二十年前にこの本を読みたかった。でも、しんどくても、もう一度自分に向かいあおう。それが、若桑先生へのせめてもの恩返しかもしれない、と思う。女も男も、女の子の親も男の子の親も、この本を読もう。そして自分の人生を、子供たちの人生を、あらためて考えよう。
もともと、わたくし、若桑先生のイコノロジー本が好きでした。<BR>で、わたくしも「シンデレラさん、お大事に」という童話への精神医学的ツッコミ本を書いていたので、この本買ってみました。<BR>ジェンダーからの突っ込みとしては、特に目新しい点は無かったんだけど、学生さんの素朴な突っ込みや感想がたくさんあって、とても面白かったです。<P>何よりも、若桑先生の学生への敬意と教育への熱意が好印象でありました。