~ 養老さんのファンとして気になっていたのだが最近になってはじめて読んだ。バカの壁に至る養老「哲学(?)」の原点。さて、この本で脳について養老さんが述べていることについて、私は真偽・正確性を計るすべをもっていない。したがって「疑いの余地はない」などと言えるわけもない。なのに、なぜ引き込まれ、面白いのか。もし、学術の世界の新理論を問う~~のなら、論文の世界でいいわけで、本にするとうことは養老さんのメッセージが込められているのでは、と想像しながら読んだわけだ。~~ 私の感じたメッセージを大胆にいわせてもらえば、「近代合理主義」は脳が作りだした一つのイデオロギーでしかなく、専門たる脳の形態学的研究から、別の価値観が見いだせるのではないか、ということかな?間違っていたらすみません。~~ それにしても、特に聴覚系・視覚系と分けられる「言語」を脳で合成しているというとらえ方と話の持っていき方は圧巻で、シロウトにも「おぉ」と読ませる説得力。骨太に話しを進めながらも「~すべし」とか「~に違いない」と書かず、想像力の入る余地を与えてくれるところも、とっても好き。~
養老さんの本は「バカの壁」を読んだのが最初で、その後も何となく気になってしまい、この断定的な題名の本を手に取ることになりました。「バカの壁」は非常に読み易い本だから230万部突破なんて快挙ができのでしょうか)でしたが、この本は非常に難しかったです。著者の博学ぶるが、至る所に見ることができます。あとがきは養老氏の弟子の方(この方はもともと三木成夫氏(吉本隆明氏の著書にたびたび出てくる方)の研究室にいた方らしいです)が書いているのですが、「この本はいろいろな捉え方がができて、最初は自分も解釈を誤った」と書いております。自分も同意見で、この本は難し過ぎて感じることができませんでしたが、他の養老氏の本を読んで、気持ちが何となくわかりました。博学過ぎて、短い文章にいろいろなニュアンスを詰め込み過ぎるためかな??と自分では思います。この本は理解できないのが悔しくて2回読んだのですが、それでも全てを理解できたというには程遠いです。もう一度、読み返してみようかなと思います。
非常に面白かった。全ての物事は全て脳の中にあり、都市化(脳の表出)や数学的な発見なども脳内にあったから等、脳に立ち戻って物事を考えると言うものの見方は非常に面白い。また、心についても「脳の機能」であるという捉え方も面白い。ただ、それらの捉え方が正しいとか発展性があるとか評価されるのは、今後の脳について諸々の研究が前提になるのでは?と感じました。でも進化論(説)燃そうですが、このことを「仮説」として捉えて読むと一つの科学を進める求心力になるかもしれないし。そんなことをいろいろと考えさせてくれる本でした。