当然のことながら、この本を読んだだけで、帯に書いてあるように、どんな「初対面の人とでも3分で深い話ができる!!」ようになるのは無理ですが、深い話を引き出す「わざ」はとりあえず確認することができます。<BR> それ以上に、読んで良かったと思うことは、本の中で紹介された対談集などを読みたくなったことです。
これらを技として身につけることができたらもっと豊かなコミュニケーションができるのだろうというようなことがいくつも書かれている。<P>しかし一度読んだだけでは、ほとんどのものがすぐに頭から抜けていってしまうだろう。やさしい文体で書かれており、説明が冗長なくらいなので、すらすらと読めてしまうが、「いちばん大切なのは質問力というコンセプトをいつも意識する習慣をつけることである」と、著者も述べているとおり、あくまでも習慣化して活用できなければ意味が無い。<P>コミュニケーションの意識改革のきっかけをつくる本としてはおすすめできる。
「コミュニケーションは質問力」と定義している。このことを言い切るのは勇気にいることだと思う。私の経験からすると、この定義は正しいように思える。<P>質問を技化(沿う技、ずらす技)し、スポーツ指南書のように技のテクニックを丁寧に解説している。齋藤氏ならではだと思う。テーマの重要性、その解説はすばらしい。<P>ただ、根幹はすばらしいものの枝葉の部分で物足りなさを感じた。説得力を増させるための補強が足りないかなと思う。何か一つでも実際の仕事で出そうな対話例を出せばよかったのではないか。<P>質問力というのは齋藤氏にとっては重要なテーマだろうから(十分、思い切った質問の技の仮説を挙げているが)勇気をもってさらに突っ込んだテクニックを紹介してほしかった。お買い得感に欠!るというのが正直なところ。