ジェームス・ウェブ・ヤングのアイデアが作られる過程ほか、あらゆるアイデアひねり出し方の本の例があげてありました。たとえばヤングは、第一段階は資料集め、第二段階は資料を租借、第三段階では問題を頭から離し、第四段階でアイデアがどこからともなく現われる。そして、第五段階で生まれたてのアイデアを現実の世界に連れ出して、うまくいくかどうかを試す。こうした段階は、あらゆる本で言い方を変えて登場してくる。ただフォスターの本では、その具体例が細かい。たとえば、アイデアを出す訓練として「13の半分は?」といったお題を出す。すると、6.5といったありきたりの答え以外にも、1と3、Thirteenは8文字だから4、など。つまり、あらゆることにこうした発想をしていけば、凝り固まっ枠から抜け出せるというのだ。ピアノを売るためにしたヒアリングの内容を応用すれば、そのまま今日からビジネスの企画に使えそうだ。ただ、全体に引用が多く、文章として少しバラバラして読みにくい印象も残った。
私はコンピュータ系のエンジニアを職業としていますが、マーケティング・広告・メーカの人達の想像力は本当に尊敬していて、こういった書籍は常に参考にしています。世界中を旅することが好きで、古来からの人類が作り出した文明も素晴らしいと思っています。<P>この本は、否が応でもグローバル資本主義な現在を生きる我々にとって、文明を生み出した人達のアイデアがどのように生み出されたかのヒントを得る上で非常に有益だと思います。既得権益で思考が凝り固まっていたり、途上国でも現状に妥協してしまったりしている人が多い中で、無から有を作り出せしていこうという気概に溢れた人にとってこの本は、いろいろあってもとにかく何かしよう、ポジティブに生きることを勇気付けられる素晴らしい本だと!います。是非、一度!
現代ビジネス界で必要とされている能力とは何か?この質問に対する答はいくつも考えられるが、その中の一つとして『創造力(創造性)』を上げることに異論を唱える人は少ないだろう。試しにキャリアやビジネスライフについて述べているビジネス本をいくつか読んでみれば、「混沌とした現代社会を行きぬくためには『創造力』が不可欠である」、なんて文章を目にするはずだ。また、その影響もあって、『創造力(創造性)』にフォーカスした著作も数多く出版されている。本書もその中の一つには違いないが、群を抜く内容となっている。本書では、第2章から第9章までがアイディアというものに対する心構えについて、そしてそれ以降の章が実際にアイディアを創出するためのノウハウ・ヒント集となっている。本書がどの点で他の書籍より優れているのか。それは、この『心構え』について触れている点にある。いくつ刈類書を読んでいただけるとわかると思うが、アイディア創出のためのノウハウについて触れた書籍は多い。しかし、アイディアに対する『心構え』について述べた本は少ない。『最初に習慣があり、習慣がわれを創る』という言葉があるが、この習慣にあたるのが『心構え』なのだ。スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』以降、「習慣」というものの重要性が見直されてきている。『習慣=心構え』を変えるということは『自分を変える』ということにつながる。もし「アイディアの尽きない人」になりたければ、そのノウハウだけを手っ取り早く獲得するよりも、アイディアが尽きない人になるための『習慣=心構え』から体得する必要があるのだ。本書は1章につき1テーマとなっているので、手帳にでも『今日の心構え』として本書のアドヴァイスを書きとめ、常に意識してみることだ。そうすることでアイディアのための『習慣』が形成され、その『習慣』が自身を変えてくれるだろう。ノウハウはそのあとに効力を持ってくるのではないか。