スローライフ、スローフードというような言葉を最近よく聞く。でも雑誌で語られるようなそれは、時に流行りもののようできれいすぎ、正直私はちょっと抵抗を感じたりしなくもない。<P>この本では、三浦半島の東海岸で暮らす家族の日々の暮らしが、飾らずにそのまま描かれている。<P>地元でとれた新鮮でおいしい物を食べ、風や海、山の緑を感じて暮らすその生活は、スローライフと言うより、もっと地に足のついたナチュラルライフそのものだ。美しい写真と一緒に、自然に囲まれた生活から湧き出たたくさんの知恵や工夫を、この一冊の中に見つけだすことができる。<P>最近、東京から逗子や葉山、横須賀東側に移り住む人が多い。生活が忙しくなってくると、便利さよりも地に足のついた生活をしたい人が増えているのだろう。そんな人のそんな生活のためのちょっとすてきなガイドブックでもある。おすすめです。
海に沈む夕陽、川の流れ、道端の小さい花、ホタルの群れ、たき火の炎…私達が忘れかけていた、そういうものを見つめる時間、感じる時間をあたたかく、懐かしく思い出させてくれるような本でした。<BR>今まで見過ごしていたようなことを、あらためて見直す機会を与えてもらったような気がします。
秋谷の山の上にある、小さな古い木造の平屋。<BR>すぐ裏手に山を背負い、脇には段々畑、そして正面に山間の隙間からV字に垣間見える青い海。。。<BR>長男と愛犬サンと一緒にそこで暮らす、写真家・広田行正さんと、奥様である創作家・広田千悦子さんが、自らのライフスタイルを中心に丁寧に作り上げた本が、この『湘南ちゃぶ台ライフ』です。<P>手に取ったとき、予想以上の厚みと紙の質感の柔らかさにびっくりしました。<BR>フルカラーの写真をふんだんに使った本なのに、よくある「ツルツル・ピカピカ」の紙ではない、ちょっとザラリとした、ソフトな紙。<BR>これが千悦子さんの描くイラストや、エッセイの雰囲気にぴったり!<P>広田さんの写真も、御自身のHPのギャラリーやポストカードのような「くっきり感」は!少々ナリを潜め、ほっくりと、しっとりと、『ちゃぶ台ライフ』を描き出している感じがします。<P>1ページめくるごとに現れる、心に染み入るような風景やこどもの写真と、暖かい言葉で優しくつづられるエッセイ。<P>1ページめくるごとに、自分の気持ちが、ほくほくとほぐれていくような気がしました。<P>広田家のナチュラルなライフスタイル、心地よいと感じる視点、ものごとの考え方、時に哀しみに打ちひしがれて涙したエピソード、人との出会い、海とのふれあい、自宅出産のこと、美味しそうなベジタリアンレシピ、お勧めのお店。。。<P>とにかく内容の濃い、充実した一冊に大大大満足!!(*^^*)<P>映画館で映画2本見る以上の素敵な時間が、好きなときに好きなだけ過ごせますよ♪<!BR>自信を持ってオススメしたい一冊です。