総論は凄く良い、しかし、読みにくい文章ですね。<BR>各論としては、小野田博一の「論理的」シリーズがオススメですな。<BR>分かりやいし。
私自身この本は日本で随分前(10年前?もちろん旧版だと思うが。)に読んだように記憶しているが、現在のハーバードロースクールのコースでも授業の早い段階で1冊まるごと読むように宿題として指定されているので、「ハーバード流」という一見下世話なタイトルもあながち嘘ではない。本書で説かれている「原則立脚型交渉」などといった内容は、ハーバードで現在も開催されている交渉に関する複数の交渉プログラムの基礎をなしている。実際実務にどのくらい役に立つものかは不明であるが、本書のやわらかい装丁や書名にかかわらず、現在の「交渉学」を知る上では欠かせない1冊であることは間違いない。
本書で紹介される交渉術の目的は<BR>「自分が当然得るべき結果を手にし、なおかつ相手と良好な<BR>関係を維持する事」である。<BR>よって本書は「当たりまえ」の結果を得る為の<BR>相手をマネジメントする方法が具体的に記されていると私は理解した。<P>交渉は論理が通っていれば必ず成功するものではない。<BR>いかに論理が通っていても、相手が不信感を抱いてしまっては、<BR>大抵の交渉が成功しない事は明白だ。<P>本書は相手が不信感を抱かないようマネジメントする方法が<BR>詳細に記されている。<P>1982年に提唱されたアイディアが20年経った<BR>現在でも出版されているという事実からもこのアイディアの<BR>有効性・普遍性の一端を窺い知る事ができよう。<P>しかし10年間の間に受けた批判・質問を本の最後でまとめて<P!>答えるという姿勢には感心しない。<BR>この中にはいくつか本質的な質問が含まれていると私は感じたが、<BR>そのような本質的な質問は、本文での議論に組み込んで<BR>検討するべきであろう。<P>最後でまとめて答えるという構成を取る事で、<BR>読者が詳細に検討する事を防ぐという意図であるのだとしたら、<BR>見事であるが、それは所詮ペテンに過ぎず、本書の目的とする<P>交渉スタイルと外れてしまうので、星1つ減点とする。