両極端に分かれているGMOの見方だが、こうしてあらゆる角度から見ると、実体がよく把握でき、かつディテールの一つ一つが、小説のようなストーリー性をもって読ませる。どちらにも与していないが、関係者はもとより、われわれ消費者も読んで、きちんとした認識を作りたいと思った。
かねがね、遺伝子組換え作物について、どんなイデオロギーにも与さない「本当のところ」を知りたいと思っていた。この本を読んで、それがだいたいわかってきた。この本は、遺伝子組換え技術の黎明期の段階からお話風に語られているので、技術的なベーシックがある程度理解できたのはうれしい。こうした科学的な話が、主としてモンサントというバイテク企業の興亡の話と、二重らせんのようによられて本が進んでいくので、タイトルにあるように、「なぜ悪者になったのか」というあたりもよくわかった。同時に、米欧の文化的な違いがGMOがらみで鮮明にあぶり出され、そういった文化論としても面白く読めた。少々厚い本だが、最後まで読んでみると、充実感がわいてくる。
両極端に分かれているGMOの見方だが、こうしてあらゆる角度から見ると、実体がよく把握でき、かつディテールの一つ一つが、小説のようなストーリー性をもって読ませる。どちらにも与していないが、関係者はもとより、われわれ消費者も読んで、きちんとした認識を作りたいと思った。