「経済学とは選択の科学である」と経済学を通じて何を勉強しようとするのかと言うところから入っていて、前編を通じて読者(学生?)の興味を損なわないように非常に分かりやすいです。村上龍も専門筋の人に、まず経済学を勉強するなら、と言って勧められたとか。
著書は確かクリントン大統領の最高経済顧問で2002年ノーベル賞の共同受賞者の一人じゃないですか。導入部の「自動車産業と経済学」はケーススタディであり、正解は出てこないけど、発想力・創造力を鍛える新しい教授法ではないでしょうか?この業界は、産業競争力で日米がしのぎをけずっていたので、米国人には最大の関心ごとでしょう。価格についての意見も伝統的なものとは趣を異にしているし、スピードが大事という点でスピードを財やコストのような視点で捕らえつつアメリカの企業戦略、国家戦略に参考にされていることをみれば、実学というか活用できる強化書ですよ。物足りないという人は、正解がない問題ばかり議論しているように見えるからでしょう。官僚試験の問題には作問しづらいでしょう!逆に、政治家、企業経営者、改革者には発想力と創造力を刺激し、これから何をすべきかヴィジョンを描くうえでの道しるべになりそうでスティグリッツの著作は注目と活用に値するでしょう。むしろ、日本の世の中が閉塞的で現実の厳しさは変わらないからこそ過小評価されています。公共部門の項目は政府の責任を問いかけた。日本でも話題になっているが、本当は正解はない。ただし、政府が責任を持つべきで政府は民間の悪い時こそ責任を持ち、民間が絶好調の時は赤字を垂れ流しにしないでほしいという読み方も出来ます。これからの日本の子供たちが経済学者になった時、正解や真理を追究するだけでなく、実生活に発想力や創造力を刺激するような学者を多数輩出すべきです。スティグリッツは、米国では非常に貴重!な人材ですが、日本でもこのような実学志向への大転換へ教育界は大きく舵を切るべきでしょう。脱線しましたが、他の人の評価が低すぎて再評価しなおしました。日本はノーベル経済学賞がいなくて、官僚試験で定評のある本が評価されるお国柄なのでスティグリッツは大きな啓示を与えてくれたことでしょう。まず1冊読んでみなはれ!!
表題の通り、大学生など初学者向け.その趣旨に逸脱することなく、平易な内容にとどめており、その意味では分かりやすい.もちろんこの本を読んだらすぐに経済に精通し、日本経済新聞の理解度もたちどころに上がるわけではないが、経済関係の基本的な語彙力はつくので、ニュースを見る目が変わるだろうと思う.