タイトルが自己矛盾的なのだが、こう形容するのがふさわしい。さすが大学講義をまとめた本だけある。「概念的に」は「大学講義的に」と言い換えてもよい。<P>以前から「現場力」という語はよく耳にしていたし、私も職場で直の上司に向かってこの言葉を遣っていたが、なぜか「現場力」という語が一語でタイトルに入った本は、無かった。だから買ってみた。2時間半で集中して読めた。そして、タイトルのように、感じた。<P>ビジネス書をつね日頃読み、著者と共有できる悩みに気付き、山のような思索を積み重ねて居られる方には、当たり前だけが並んだ、「そうなんだよ、そうなんだけど…」という気持ちだけが募ってしまう本。<P>一方、若手で現場での問題に悶々としているが「私の悩みをどう表現すればよいのか」が要領を得ない方、「現場重視」とは?と考えの整理をしてみたいという方、三顧の礼をもって迎えられたがそれまでは経営とは縁がなかったというリーダーの方、には最良の本。
「早稲田ビジネススクールの人気講座」という帯に引かれて読みました。しかし、私には思っていたほどの内容がありませんでした。いろいろ他の本に書かれているような、例えば「トヨタ式」、「日本の優秀企業の研究」などに書かれているような具体的な例は殆ど無く、約200ページの目次を延々と読んでいる様でした。確かに書かれていることは正しいし、すべて今の時代に求められていることです。が「はじめに」に書かれているように取っ掛かりとなる視座をまとめたにすぎません。つまり現場というものの総論をまとめたものでしょう。あと、毎ページ現場という言葉が2回も3回も出てくるとちょっとまいってきます。
「こんな本こそ欲しかった!」と胸のつかえが取れるような一冊です。<P>「戦略」「戦略」と戦略の本は山ほど出ていますが、<BR>日々業務の末端をこなしている私のような人間には、<BR>正直「会社全体の戦略」よりも「今いる現場をどうするか」<BR>に関心がいってしまいます。<BR>殆どのビジネスマンは戦略に関わることなんて皆無なのに、<P>なぜか出版されるのは戦略の本ばかり。<BR>「戦略」よりも「まず現場」というのが、<BR>普通のビジネスマンの感覚ではないでしょうか。<P>そんなことを思っていた矢先、<BR>この本を読んで、久々に爽快な読後感を味わいました。<P>ここで書かれているのは、<BR>「強い現場をどうつくるのか」<BR>という現場の鍛え方です。<P>トヨタや花王など、強い現場を持つ企業を分析して、<BR>どの会社にでも応用できる現場力の法則を導いています。<BR>アスクルやドン・キホーテなど話としても面白いですし、<BR>「5回のなぜ」や「主権在現」など、<BR>なるほどと唸らされる技術もあります。<P>別に工場などの現場以外にも、<BR>実際にビジネスが行なわれるのはすべて現場。<P>その身の回りの現場を、どうすれば強くし改善できるのか。<P>明日から実践できるヒントが満載の一冊です。