EQが静かなブームになっているそうで、EQセミナが開催されるとどこでもすぐに一杯になると聞く。この本では、そのEQの平易な説明とEQの簡単な診断とEQを鍛えるための方法が掲載されている。特にEQを鍛えるトレーニングは約130ページもあり本書の半分以上を占める。EQのトレーニングでは、自分と相手の感情に対する識別・利用・理解・調整のどれに有効か明記されており大変わかりやすい。筆者は「千本ノック」という表現をしているが、どれもが具体的で効果がありそうなものばかりだ。私が特に面白いと思ったものだけでも、●「机の上に鏡をおく」、●「悪口をパソコンに書きなぐる」、●「エモーショナル・ポーカー(トランプの代わりにいろいろな人の顔が印刷されたカードを使い、同じ感情のカードをペアで取るゲーム)」、●「メモに相手の感情の状態も付け加える」、●「もう一人の自分から見た『自分レポート』を書く」、●「スケジュールに『やりたいこと』、『やらなかればならないこと』をこの順番で書く」、●「シックスセカンズ・ポーズ(怒ったときは6秒間待つ。人の怒りは6秒間で消える。数でも動物の名前でも何でも良し)」、●「逆ロールプレイを行う(相手と立場を入れ替えて行うロールプレイ。上司と部下など)」がある。EQの高さと収入の高さには相関性があるらしいので、この本を使って自分のEQの弱いところを見極め、いっそうEQを高いものにしたいと思った。
あまりにも内容が薄本なのでびっくりした。EQの向上がこんな付け焼き刃で上手く行くので在れば、誰もストレスで自殺などしないし、日本企業はもっともっと元気で創造的なはずだ。EQの向上には、精神医学的、心理学的、ホリスティックに対象者をコーチ、サポートしていくことではじめてなしえることだし、個人個人によりそのEQの向上にかかる時間が異なる。<P>もし、EQの対象を心の健康な人がよりよくなるためのものです。<BR>と言い切ってしまうのならば、もっと問題だ。<P>日本の企業が病んでいることに目をつぶって、いいところだけをすくい上げて、膨大なコンサル料をとるようなビジネスを生んでしまうのではないのか?<P>この本で述べられていることが本当に効果があるならば、会社での導入の前に、もっと深刻な問題が起こっている、小学校、中学校、高校で試してみることだ。社会人に比べれば、まだまだ純粋で打算的でもない、彼らに試してみて、効果があることを実証するべきだ。
今までのEQの図書は学術的でわかり難かったり、クイズ形式のものが多くEQというものに対して誤った解釈をしていましたが、この本を読むことによって良く理解できました。