パッと見ると「よくあるガンダムのサイドストーリー」という印象を受ける。ところが本書は、本格であることに挑んだがゆえに、テレビシリーズのノリで接すると、あまりの「硬さ」に面食らうはず。プラモデルが中心を担っていることでもわかるように、モビルスーツに関心が強い人の方がすんなり入り込めるかも。<P>「よくあるアナザーガンダム」に甘んじるのではなく、テレビシリーズをつなぎ、「正史となれるオリジナルガンダム」を作ることに挑戦していることが大きな特徴。「ガンダムとはなんなのか?」を洗い出すところを基点とし、新たなガンダムとその世界を作り上げるために、膨大な量の情報を咀嚼し、それらを丁寧に組み上げていく様子と奮闘する作り手達の熱気が、多くのドキュメントや緻密な設定画、さまざまな角度から撮影されたプラモデルの写真などから、すさまじい勢いで伝わってくる。<P>良い物を妥協せずに作るためには、大変なエネルギーが要ることを改めて教えてくれる良書。偉そうに聞こえるかもしれないが、中高生くらい年代で興味を持った方は、一度読んでおくときっと役に立つと思う。
モデルグラフィック誌に10年と少し前から連載されて構築された「ガンダムセンチネル」の世界を、小説・3Dモデル・設定稿(2D)で構成した大型本。「センチネル」はちょうどZZの前半部分とオーバーラップしている頃のお話し。<P>「オリジナルのモデルを中心によくこのようなガンダム世界を構成したなぁ」と当時のスタッフ陣には感心させられる、かなり硬派なリアル志向のガンダムワールドです。ここのところ、プラモやGFFでも「センチネル」のガンダムやMSが続けて発売されています。ナンと3月には「ディープストライカー」までGFFで発売されるという・・・!!<P>「ガンダムセンチネルってなに?」と興味を持たれた方、ぜひご一読ください。カトキ氏の秀逸なデザインとハードSF的な設定を軸にした“アナザー・ガンダムワールド”に必ず引き込まれることと思います。
初めてこの本を見たのは高校生の頃だった。プラモデルと小説という、今までになかった組み合わせの展開は新鮮だった。<BR>あれから10数年。<BR>今見ても色あせることの無いメカデザイン、濃厚な設定。幕末の新政府軍と旧幕府軍との戦いを思わせるストーリー展開は、大人になった今だからこそ、その悲哀を感じることができる。<P>今をときめくデザイナー・カトキハジメの原点がここにある、と思う。<BR>ガンダム・ファンなら必読!!