世の中不景気になって大きな会社に勤めていても決して盤石とは言えなくなった昨今、自分のキャリアをかんがえるにあたって、得手不得手は何なのかと悩む人は多いはずです。この本では、世論調査等で有名なかのギャラップが200万人におよぶインタビューをもとに人間のもつ特長を30あまりに分類しています。この中には、分析的とか、競争心とか、結果志向とかビジネス書でおなじみのものから、共感のしやすさ、信念といった性格にかかわるものまでいろいろあります。<P>そして、著者は、人間が伸びてゆくためには、弱点を補強するために汲々とするのではなく、強みを伸ばしてゆくことこそが大事なのだと強調しています。では、どうやって自分の強みを発見すればいいのでしょう?<P>答えは、本の中にあります。この本を読んだ人は自分の強みを知る事が出来ます。その方法は読んでからのお楽しみです。ちなみに、小生の会社ではこの本をマネジャーの研修テキストとして使うことにしました。
Webページにアクセスし、本のカバー裏にあるIDナンバーを入力して、180項目の質問に答えると、34種類の「強み」の中から、あなたの5つの「強み」を見つけてくれるというもの。<P>「強み」を見つけたい人には、最適です。180項目の質問に答えるのは、結構たいへんだけど、自分が予想していたのとは異なった「強み」が見つかり、参考になりました。<P>ただ、この先がいけない。この自分の「強み」を活かすための方法論は書いてない。他人の「活かし方」しか書いてない。共著者の「強みを活かせ!」も読んでみたが、この本とはリンクしておらず、参考にはならなかった。<P>あくまでも「強み」を見つけるためだけの本。
「強み」を見つけてそこに力を注ぐというのは80対20の法則の本を読んだ直後だったためか、非常に興味深いテーマであり、私自身も大切なことだと思う。それぞれの人間に得手不得手があり、弱点を補強していく(本の中の言葉でいえばダメージコントロール)よりも「強み」を伸ばしていくことに力を注いでいくべきであるという考え方は、リチャード・コッチの本の内容に通じるものもあると思う。また、ニューロンの結合であるシナプスが16歳までに絞られていくことにより、その人の「強み」の源泉である才能を形成していくという考え方も非常に興味深いものであった。<P> しかし、あまりにも一方向からの視点しかかかれていないように感じるのが気になった。また、本の構成は、第一部で「強み」を定義・分析し、第二部でそれを見つけ、第三部でそれを応用するというようになっているのだが、第三部の応用のところでは、第二章で見つけた「強み」を伸ばしていく方法を紹介していくことよりも、そのような「強み」を持つ人間をどのようにして扱うのかということに焦点が当てられているのも腑に落ちないところであった。「強み」とは一人一人違うものであったとしても、この本と連携するネット上の"Strength Finder"で分析された「強み」の源泉をどのように「強み」にかえていくのかというところをもっと説明してほしかったと思う。<P> それとも結局は「ギャラップのサービスに頼れ」ということなのだろうか?一度しか行えない、Strength Finderのサービスを見るとまるで占いに権威をもたせて信憑性を高くしているだけなのではとさえ思ってしまう。本自体は非常に、ためになるものだっただけに残念に感じた。