マーケティングの実務家として非常に長い経験を持っている著者は70才になる。しかし、その「市場と消費者」を見る目の鋭さは年齢を感じさせない。ひとつだけ例を挙げると、「エージング・ブーマーが消費リーダーだ」と主張している。いまだに団塊世代前後の中高年市場を十分に開拓している企業は少ない。ここに大きな市場機会があり、その消費の特徴を「バリュー消費」であるとまとめている短い章は、読者への大きな宿題にもなっている。<BR> そして、いま企業内で活動する実務家への期待の強さと熱っぽいエールは、読むものに勇気を与えてくれる。<BR> 若いマーケティング関係者にはぜひ読んでほしい。
水口氏の著作は基本的に好きなのですが,最近はあまり変化のない内容で少しがっかりです。それだけ彼の主張には一貫性があるのかもしれませんが,それならば過去の著作で十分かと思います。それと偉くなり過ぎたためか,ご高齢のためかわかりませんが,本当の意味での現場感覚が薄れ,我々のような現場の人間からしたら遅れているというか,ちょっと違うんじゃないですかね,という例が多く見られます。学者ならともかく,実務家コンサルタントである以上現場主義をもっと徹底して欲しいです。
実務家マーケティングの星、水口先生の視点のやわらかにはあらためて脱帽です。<BR>中でも、<P> 「化粧品『店』が減り、化粧品『点』が増える..」<P>という見方とても参考になりました。たしかにそのとおりですね。消費者のニーズなんてそうは簡単に変わるはずもない。だから売れるものはいつでも売れる。ただその「売れ方」と「買われ方」が変わっただけなのですね。大賛成です。<P>もうひとつ、世代の変化のつかまえ方もナイスでした。消費の主役の世代がシフトし、そしてその世代そのものもまた変わろうとする..。ふたつの変化のうねりが合わさったものだったのです。調査の解析等の時にとても役に立つ目線です。