高橋伸夫氏の1996年の著作の文庫化である。<BR>買って良かった。読んで良かったと思っている。これで600円だ。<BR>タイトルから想像できるのは「気楽な稼業サラリーマンが良いよ」的な本かと思ったが、全く違う。<P>第1章の「やり過ごし」、第2章の「尻ぬぐい」、第3章の「泥をかぶる」と言うキャッチコピーがあり、この3章は同じ流れだが、まじめに分析している。<BR>第4章の「見通し」から、さらにどんどん引き込まれており、サラリーマンでもある私は、思わず「そうそう」「俺だけじゃなかったのか」と思いながら読み進めた。<P>第5章~第7章は、実践に基づいた経営哲学書です。<BR>損はさせません。よみなはれ。<BR>ps.<BR>高橋伸夫様<BR>もしこのページにたどり着いたら、以下の言葉をお送りしたい。<BR>「いやー、日本人が書いた経営書もすごいのがあった。」<BR>「でも、別のタイトルで、中身が同じ本も出したら?(^^;」
経営学の対象となりにくかった「係長クラス」。前半は、会社を支えている係長クラスの生態をデータを元に描きます。無理難題をやり過ごし、部下のしりぬぐいをしていく様子です。後半は「係長クラス」の行動原理から、日本企業の考え方、強さの源泉、強い組織をつくるための方法等を提案していきます。<P>題名とは違って、至ってまじめな経営書です。できる社員になるには!みたいな本ではありません。組織とは、企業の強さの源泉は、経営することとは?を、正面から説いています。が、面白い。軽妙な文章からか、結構笑えるところも多かったです。論旨も明確で、わかりやすい本でした。このような経営の見方、研究の方向(??)もあるんだぁ、と目から鱗がおちました(少し大げさ?)。
最初はできる社員になるためのハウ・ツー本だと思っていたが、それは違った。タイトルにだまされてはいけない。経営学の観点から、日本企業の特徴を肯定的にとらえたのが、この本である。<P> 長い不況の中で、日本全体が自信を失っていた。それは、企業も同じだ。勢いのある企業は、これまでにない、新しいシステムを導入しているが、これまでの企業のシステムはすべて間違いだったのだろうか?答えは否だ。<P> つまり、今まで日本企業が採用してきた雇用や人事や賃金のシステムは、働く人にとってメリットの大きいものであったし、決して生ぬるいものではなかったということだ。時代の流れをそのまま真に受けず、もっと前向きに、自信を持って行動すべきであるということを著者は主張している。<P> 確かに書いてあることは、当たり前のことばかりだ。著者もそれは認めている。しかし、当たり前のことをはっきりと示し、読者に自信を持たせようとする著者の試みは十分に伝わってくる。非常に良い本だと思う。