図解ブームの中心にいる著者の大学での講義を再現したような講座です。記事や本の一部を学生に図解させて、著者が改善ポイントを指摘して、図解のポイントを説明していく構成になっています。具体例が多いでわかりやすいですね。図解の入門には最適の本だと思います。<P>ちなみに、図解の題材になっている「情報選択の時代」や「それは「情報」ではない」(いずれも、リチャード・S・ワーマン)の本が読みたくなってきました。
本書は、図解表現することの効用を説き、その実際の作成法を丁寧に説明している。分かりやすいのでお薦めできる一冊だ。情報を図にして表現することで、考えることが促されるので対象の理解が深まる。また、問題の解決法が思いつきやすくなったり、物事をわかりやすく説明したりできるようになる。さらに、図を仲立ちにして人と建設的なやり取りができる。実践してみて、本書の説く効用はそのとおりだと感じる。<P> どうして図解するとこうした効用が出てくるのか。おそらく、私たちが扱う情報というのは無数の概念から成り立っており、その概念の関係性が情報を形作っているからだと思う。図解することは、その関係性を二次元的に明らかにすることだ。図を作るためには概念同士の関係性を明らかにしなければならない。だから思考が促される。概念の関係が明確に認識できるから、問題点もはっきりしてくる。そうすると図の余白に解決策が潜んでいることがわかるのだ。<P> ちなみに私は本書のほかに、トニー・ブザン『頭が良くなる本』で紹介されている頭脳地図(マインドマップ)も併用している。頭脳地図もキーワードを二次元的に展開するという点で、本書の理論と似ている。特に創造的な論文などを作るときに、頭脳地図は威力を発揮するように思われる(もちろんそれ以外でも非常に有効)。いずれにしろ、ノート法・表現法は自分流にアレンジして使いこなしていくといいのではないだろうか。<BR> なお、西村克己『図解する思考法』と比較すると本書のほうが格段に良い。
著者は先の「図で考える人は仕事ができる」で<BR>図解はセンスではなく技術であると述べているが<BR>この著作では、その具体的な手法が書かれている。<P>どのように思考を整理したらよいのか、<BR>それをどのように表したらいいのかが<BR>良くわかる本であるといえる。<P>実際、私の会社では資料の多くが図解になっているが<BR>実際に図解してみると難しい。<P>そんなときに読むと、この本は非常に役立つヒントが満載なのである。<BR>自分の思考がいかに狭いところで行われていたのか、<BR>またそれを表す技術も少ないパターンの中で行っていたのかが<BR>明らかとなった。<BR>非常に勉強になる本である。