いまや息子さんも学者である小田島雄二先生の訳により、シェイクスピアの<BR>最も有名な作品のひとつ『ロミオとジュリエット』。映画化、舞台化数限りな<BR>く話はよく知ってるものの意外と原作を読んだことがなかったりする。<BR>イタリア・ヴェローナを舞台に、敵対するキャピュレット家とモンタギュー<BR>家のジュリエット、ロミオの悲恋を描く。<P>個人的には、バズ・ラルマンのディカプリオ版と、ゼッフィレリのオリビア・<BR>ハッセー版の映画を観たけれども、改めて原作を読むと、名セリフも多く、<BR>卑猥な表現もあったり、神による種明かしがあったりして、新発見が多か<BR>った。<BR>翻訳は、ややわかりにくいところもあるが、言葉遊びなどもうまく訳されて<P>いる。字体やレイアウトもすっきりして読みやすい。最後に、作品に関する<BR>基本的な解説と文献リストが載っている。
シェイクスピアの作品には登場人物の台詞の中に詩が多く含まれている。そんなたくさんの長い詩を含んだ原作を忠実に訳して書いてあるのがこの本だ。映画などではカットされている部分もあるが、原作そのままの内容であるのは、本ならではだろう。<P>ただ、シェイクスピアらしい詩を訳したために、日本語でもいまいち解りにくい表現はあるが、「シェイクスピア」のロミオとジュリエットを日本語で読むのには多少難しい表現でも良いと思う。<P>台詞の口調も登場人物らしさが出ていると思うし、話を知っている人が読めば面白いと思う。けれど、ロミオとジュリエットを全く初めて読むのであれば、少々わかりにくいかも知れない。