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新版 指輪物語〈3〉旅の仲間 下1 ( J.R.R. トールキン J.R.R. Tolkien 瀬田 貞二 田中 明子 )

裂け谷のエルフの館に到着、命拾いをしたフロドはこれで冒険も終わりとホッとしますが・・・さらに暗く絶望的な冒険に旅立つ事に。しかもエルロンドの会議からフロドは自分一人でこの使命を果たすしかないと覚悟を決めます。フロドを勇気付けるのは8人の仲間、人間、エルフ、ドワーフの代表。そして主人の気持ちを察し決してフロドの側を離れようとしないサム。「僕たちホビットは離れちゃいけないんだ、知恵者が加わっていないとね」とメリーにピピンも。平和と自由を愛する全世界の人々の運命を背負って新たな冒険の始まり!

エルフ、人間、ドワーフ、ホビットが集う「エルロンドの会議」が開かれる。「指輪を携えていく使者には誰がなるのですか。」ビルボが聞く。誰一人勇者たちは答えることができない。フロドに向けられた顔は無い。フロドは「自分の声を聞いて、まるで別の意思が自分の小さな声をかりてしゃべっているのではないかといぶかしく思い」ながら言う。「私が指輪を持っていきます。」誰もがフロドに強制するそぶりは見せなかったが、誰もがそれを望んでいた。どうしてホビットなのだろう。弱きもの、小さきものに使命を与えるのだとしたら、どうして「人間」がそういう位置付けにならなかったのだろう。エルロンドさえ持つのも嫌だと怖れる「指輪」とは何か。映画を見てこうだと思っていたことがいまは崩れつつある。ゆっくりと考えていきたい。サムは呟く。「とんで火に入る夏の虫って、このこってすだ」<P>ガンダルフを先頭に困難な未来に「旅の仲間」たちは出発する。さらに困難な「モリアの坑道」に行こうと決めた時にガンダルフは言う。「結果的にどうなろうとも、人は必要が選ぶ道を歩まねばならぬのじゃ!」旅は決断の連続である。「指輪物語」をシュミレーションゲームの元祖の様に言う人がいるが、本来は違う。本作の登場人物たちは後戻りはできない。

指輪物語・第1部「旅の仲間」の下巻である。エルフ、ドワーフ、人間、にそれぞれ送られた指輪を統べ、悪へと導く闇の国モルドールの指輪。その指輪を偶然手に入れてしまい、ホビット族のフロドは始末を付けるために安住の地を旅立つ。エルフの国に着いた彼らの新たな旅立ち、また、その指輪にまつわる過去がエルロンドによって語られる。<BR>「たとえ危険な旅でも、置いてけぼりにされる方が拷問なんだ。ぼくたちはこれから先もあなたと一緒に行きたいのです」<BR>こんなことを言ってくれる仲間が得られたフロドを羨ましく思いながら、読者も一緒に危険な旅へと旅立つのです。

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