二つの塔の中で一番好きなシーンが廃墟での会食です。追跡組と若いホッビト達の再会、メリーとピピンはこれまでの経緯をアラゴルン達に語ります。またローハン王セオデンと交わした約束「心ゆくまで聞かせてもらおう、先祖の逸話と本草学を」この約束は果たされず、メリーは後に冒頭で引用される『ホビット庄本草考』を記す事に。そして木の鬚に別れを告げ、指輪の仲間は再会の喜びもつかの間、それぞれの道をたどってゴンドールへ。
映画『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』では、長々と描かれるクライマックス部分がこの一冊に詰まっています。それどころか映画にはまだ描かれていないところまで。<P>あらすじとは関係ないが、レゴラスとギムリの友情は更に深まっているようです。今回の戦いが一段落つくと、二人はお互いの故郷を訪ねあうことを約束します。森と洞窟、価値観の全く違う二人が自分の価値観に誇りを持ちながら相手を認めていく様が微笑ましい。<P>そしてローハンの王、セオデンはある場面で高らかに、そして勇気を持ってある男に宣言する。『われらは平和を打ちたてよう。』戦争とは何だろう、平和とは何だろう。その答えを見出すのはまだ早すぎる。
旅の仲間が分かれ、指輪保持者のフロドのほうではなく、オークに連れ去られたピピンとメリーのほうの話。というか、この巻はほとんどその追跡の話というべきか。<P>この巻での注目すべきところは、木の髭(エント)の活躍。中つ国で最も古い生き物で、年齢などは不明。木のような人間?人間のような木?ともあれ、そういう不思議な生き物が、旅の仲間を助けるという段。<P>旅の仲間とエントたちが、アイゼンガルドに乗り込み、サルマンに打ち勝つというくだりなのだが、ここで勝ったと思ってはいけない。本当の戦いは、これからだ。<P>アラゴルンが次第に王の威厳を現してきて、いよいよ王の帰還となる日も近い。