Journeys of Frodoの全訳であるだけでなく、該当する『指輪物語』の部分の引用が追加され、地図にも、旅の仲間のイベントが追記されているし、索引も追加されたので資料的価値は原書より増加しています。
二色刷りの地図に説明文が付属した、まさに旅の行程記録。手書き絵本風の地図が本当になごみ系。横開きなので本棚にはちょっとおさまりにくいですが、原作の横に置いて繰り返し眺めて理解を深められる本です。<P>日本語版の翻訳は、DVDの吹替バージョンでエルフ語の監修をなさった、英文学者(本当にトールキンに近いあたりの研究をなさっておられる。映画雑誌に寄せられた原稿もとても参考になりました)の伊藤さんということで胸をなでおろしました。原書より情報も充実しています。<BR>なお、他にも地図が欲しい、という人には、かさばってもよければ、その名も『The Atlas of Middle-Earth 「中つ国」歴史地図 ― トールキン世界のすべて』がある。指輪物語の安価でいて素晴らしいガイドブックであり、しかも地図が大充実している『指輪物語完全ガイド―J・R・R・トールキンと赤表紙本の世界』もおすすめ。
映画では場面場面しか描かれませんが、指輪を捨てに行く旅は苦難の連続です。目の前まで行って戻ったり、ぐるぐる回ったり、そのたびにフロドとサムは成長し、旅の仲間の結束を強めます。<BR>中つ国全体の地図は細部までは追求できません。こういう周辺図があると本当に便利です。