著者は認知療法が専門で、その解説も書かれている、そういう場合普通はこの療法が一番よいのだという臭みみたいなものが、漂ってきて警戒してしまうのだが、そんな感じはなく、わかりやすい文章でこの病気について説明してくれている。事実をサラッと書いたような文章が、著者の臨床体験から出た自信の反映であり、うつ病がわけのわからない怖いものではなく、病気を知って向き合っていけば、希望を持てることの多いことが伝わってくる。
私はうつ病で約3年くらいでしょうか?苦しみました。何もやる気がなくなったのが前兆で、その後、自殺未遂にまで行き着きました。今ではよい先生とめぐり合ったおかげでほぼ完治しました。この本のいいところは、うつ病の患者さんが陥りやすいゆがんだ考え方を、丁寧に修正してくれるところです。また藤臣柊子さんのイラストも面白く、読みやすいです。この本のいうとおり、正しい治療法を行えば、うつは治ります。今現在うつ病に苦しんでいる方も、読んでみてはいかがでしょうか?もちろん、中には本を読むことすら出来ない人もいらっしゃるでしょうが…(私もそういう時期がありました)<P>最後に付け加えておくと、SSRIのパキシルは現在日本で認可されています。パキシルはうつ病、パニックディスオメダーにも有効です。私はパキシルに救われました。
うつ病が社会的な問題になっています。本書は新書版でまとまりがよく、実践的な内容であるのでお勧めです。うつ病の解決は本人と家族や職場等の周りの人間の理解と協力が必要ですが、何よりも大切なのは本人や内輪でこの病気を解決しようとせず、心療内科などの専門医の診察を受け、その指示に従うことです。専門医の診察を受けることです。心療内科での治療は、まず病院の先生と患者と話を交わすことによって信頼を熟成すること。そして薬物治療です。専門医に頼ることで患者は「うつ病である」ことを自覚できます。それから薬物治療では抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬の三点セットが処方されますが、基本的に安全なものです。日本人は真面目で仕事熱心な人が多いので、全国民がうつ病予備軍と言っても過言ではないです。今うつでなくても将来病気にならない保証ありません。現在は問題なくとも、まさかの時のためにうつ病の知識を得ておく方がよいと思います。