社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで みんなこんな本を読んできた 社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで
 
 
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社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで ( 山岸 俊男 )

タイトルの通り、社会全体の問題を取り扱ってはいるが、単なる社会学にとどまらず、ビジネスにおいても活用できる知見が数多く述べられている。たとえば、本書で示された「社会的ジレンマ」が起きるメカニズムとその対処の示唆は、自己変革に苦しんでいる日本の大企業にも当てはまり、変革のリーダーのみならず、ビジネスにおいて「ヒト」に携わる全ての方に読んでいただきたいものである。<P>「社会的ジレンマ」とは、個人が自分の都合を優先させて行動すると、社会全体の(そして長期的には個人の)「暮らしやすさ」が下がってしまう状況を指す。たとえば、企業の変革に当てはめて考えるならば、変革を行った方が企業全体としては得るものが大きいのだが、個人個人の利害を考えたとき変革に協力はしかねるという状況であろう。<P>著者は、個人個人が良い意味で「付和雷同的」であるという前提の元に、この「社会的ジレンマ」を閾値と均衡状態というモデルを使って読み解いている。すなわち、変革がまさに始まろうとするときに、それに協力する人の割合がある一定の閾値(たとえば、50%)を超えているならば、最終的に協力者の割合は高いレベルの均衡状態(たとえば、80%)に落ち着き、変革は成功すると。逆に、初期値が一定の閾値下回る場合、低いレベルの均衡状態(たとえば、20%)に収まってしまい、変革は有名無実に終わるわけである。<P>この仮説は、今日多くの企業変革が「異能」(たとえば、日産のカルロス・ゴーンのように)のリーダーによって成功に導かれることを思い起こすとき、説得力を持つ。すなわち、異能のリーダーの持つインパクトこそが、変革が緒に就いたときに社内に一定割合以上の協力者を生みだし、変革を成功に導くのもではないだろうか。<P>最後に苦言を述べると、本書は、図表が少なかったり、言葉の言い回しが回りくどいなど、説明が一読しただけでは判りにくい部分も多かった。次作では改善を期待する。

 普段、物事を感情的に判断することはおろかかであり、「みんながするから私も・・・」なんて考え方をすることは結局損をする、なんて考えがちだ。<P> でも本書では「感情」は、できるだけ損をせずにかしこく生きるために進化の過程で身につけた潜在的な能力かもしれないというのだ。そして、「みんながするから私も・・・」というのは、人が生きていくために脳に刻まれた基本的な働きだという。本当のかしこさを考えるきっかけになった一冊だ。

この本を知人にプレゼントすると、たいていの人の反応は「そうそう、私たち本当は社会全体を考えないといけないんだよね!」というもの。そういいつつ、私を含めて彼らもわかっちゃいるけどやめられない人たち。<P>タイトルの社会的ジレンマは、“わかちゃいるのにやめられない”つまり環境破壊や拝金主義、公共財問題、いじめなど。<P>やめられなかったばかりに、結果的に自分たちの首を絞め社会問題を引き起こすという、人間にとってとても身近でとんでもなく普遍的な問題のことです。<P>著者は、人間にとって「ほんとうのかしこさ」はどこにあるのだろう? と実験で検証していますが、そこから導き出された結果は、今の世の中で私たちが忘れかけている「意外なもの」なんです。<P>おすすめ!

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