男性の服装の基本がかかれている。<BR> 服装の哲学、歴史、基本ときっちりと押さえていて読みやすい。<BR> 明日からでも自分に活かしていける。<P> 投資する優先順位としては、<P> 1.靴<BR> 2.ネクタイ<BR> 3.シャツ<BR> 4.スーツ<P> 今後の服装術を変えていこうというキッカケになった本です。<P> 男の人。とくに社会人の方にはお勧め。<BR> これから社会人になる大学生にもいいかもしれません。
いい本ですよ。スーツを仕事で着る必要がある人、あるいはスーツを着こなしてみたい初心者・初級者の人向けの類書では、この本の旧版が群を抜いて良かったし、それは新版になっても変わらないでしょう。鏡や窓ガラスに映った自分のスーツ姿を見て、「もう少しどうにかしたいが、どうしたらいいか分からない」という人は、ぜひ手に取るべき本です。スーツだけでなく、靴、シャツ、ネクタイ、靴下といった個々の部品についても一つ一つ丁寧に述べていて、一冊読み通すと、全体としてスーツ姿をコーディネートするコツみたいなのが分かってきます。まあスーツなので安くはないですが予算の違いや、年齢、英国・イタリア・アメリカといったスタイルの違いについてもバランスよく言及されていて、非常に実用的な本です。逆に言うとこの人の他の本はクラシコ・イタリア趣味やウンチク自慢が過剰で、「お好きな人」以外には勧めません。(まあクラシコ・イタリア系の服飾評論家の書く本はみんなそうなんですが。)その中で、この本だけは自分の趣味を過剰に露出するのを抑えて、例外的に多くの人に「役に立つ」本になっています。
他人よりもビジネス・スーツ・スタイルに差をつけたいと思う新成人には ”参考”になるかもしれません、が、そう思うのはみな同じこと、ファッションとは他人との差異があってこそ楽しめるもの、という感覚が稀薄な日本人、流行りものだけが街を席巻する様は、いかに”基本”であってもおぞましくおもえてしまう。<P>ファッション最先端の国、イタリアやフランスでは一定のテーマに添って、各デザイナーが独自のコレクションを展開する、ショーにおけるファッションはデザイナー個人の主張の場でもある。<P>本書に「クラシック・スタイルは、基本を守らねばなりません。始めのうちは、私の述べた通りのことを遵守してください。本書では、ファッション先進国における、男のコモン・センスを述べることができたと自負しております。この本があたり前すぎて陳腐に思えてきたときこそ、貴方はお洒落の達人になりえます」とあるが、まさしく正論であることには変わりはない、ご自身が流行服飾評論家の第一人者を自負されているからこそ言えるのだろうとおもうが、たとえば、タレントの所ジョージさんの「着崩し」の極意は落合氏にはきっと理解できない事だろうとおもう。<BR>ファッションにはそういう「着かた」もあるのだという幅広さを持ち得てこそ「ホンモノの指南」も展開できるのではないだろうか。<P>ショーでトップモデルが着る服が一般的には着られないのと同様に、ヒエラルキーの上層部を占める一部の人達のコモン・センスを、労働者階級に押しつけることが日本の最先端のスーツ・スタイルとは、皮肉を通り越して、メーカー側の”スケープゴータビリティー”として消費者が食われているという事実にも目を向けるべきだ。