図解の手法そのものの解説本と言うよりは経営戦略、<BR>マーケティングの肝の部分を図解を使って解説する本<BR>という味付けです。<P> 「年賀状ソフト」「デジカメ」「太宰治」など身近<BR>で具体的な材料を使って、分析を図示しているのとこ<BR>ろが大変分かりやすく、真似をしやすくなっている。<P> これでもかと図解例を並べている類書も多い中、<P>図は厳選して、文章による丁寧な解説がとてもいい。<BR>これだけである程度の自習教材にもなる。<P> 粗製濫造の「図解本」市場ですが、本書は確実に<BR>それらと一線を隔しているとおもいました。
久恒氏によって空前の図解ブームが巻き起こっている昨今ですが、その流れに乗って、様々な著者が「図解」について本を出しています。そのほとんどが久恒氏の物まねか、あるいは『図解~入門』的な本に終始しています。この本もその例外とはいえません。「図解」の技術について学びたい人で、経営やマーケティングに興味がない人は読むでもほとんど意味がないでしょう。なぜなら、本書は『経営戦略』、あるいは『マーケティング』の本だからです。『図解』のスキルに関する本ではありません。「どのようにして図解するか」について学びたい人は、素直に久恒氏の著作を読むか、あるいは西村克己氏の『創る!図解力』を読むべきです。ですが、将来コンサルや企業のマネジャーを目指す人、あるいはマーケティング部で活躍したいと思っている人には必読の書だと思います。本来、「戦略論」や「マーケティング」という分野はただでさえ直感的な理解を必要とされるため、図が多用されます。しかし、多様はされますが、図はあくまで脇役でした。しかし本書は、『図解』を中心として『戦略』とは、を論じているわけです。素晴らしいと思います。コンサルやマネジャーにとって、もちろん「論理力」は必要だと思いますが、例えば交渉などの場面で、自社の戦略を「直感的」に顧客に理解させることは今後さらに重要になってくると思います。本書は『戦略』と『図解』を同時に学べる書です。この本と並行して大前研一氏の『ストラテジックマインド』やウィリアム・J・アルティエ氏の『Thinking Manager's Toolbox』などを読めば、近年話題になってきている「問題解決力」も磨けると思います。ぜひためしてみてください!