北方謙三さんの作品では「水滸伝」が好きで良く読んでいます。<BR>その延長でこの本を購入して読んだのですが、「水滸伝」のような<BR>それぞれの登場人物が魅力的に描かれている物語を期待していたせいか、<BR>多少人物の描写が簡単に思えてしまいました。<BR>もう少し深く登場人物の掘り下げが欲しかったかなと思います。
時代は10世紀、西暦950年位でしょうか?<BR>中国は宋が中原を統一して、遼と争っている時代です。<P>楊家の当主「楊業」と7人の息子(一郎~七郎)の楊家のお話。<BR>7人の息子の殆んどが母が異なるせいか、息子の性格はそれぞれ。<BR>でも親父の楊業の血は濃く、みな惚れ惚れするような戦上手。<BR>場面ごとに主役が、楊業、7人の息子、遼国の武将、文官、帝と<P>入れ替わり、魅力的な人物達にぐいぐい引き込まれていきます。<P>戦闘場面も歴史小説の枠を超えて、スピード感溢れています。<BR>「騎馬民族」である遼に対抗するために構成した楊家の「騎馬隊」<BR>その騎馬同士の戦闘シーンの描写は、手に汗握ります。<P>水滸伝の合間に一読されても損はしない。それどころか水滸伝の<BR>魅力を再確認できると思います。
楊一族が、宋の家臣となってから、遼との決戦までを描きます。<BR>楊一族の長、楊業を中心に、性格も考え方も異なるが、戦上手の7人の息子達。対するは、遼の「白き狼」と恐れられる戦の天才と、遼軍最強の騎馬隊。外様としての宋の中での権力争い、そして遼との一進一退の小競り合いの後、時は熟していく。両軍最強の部隊どおしが、ぶつかります。<P>泣けます。戦に生きる男の生き様、友情、親子の情、勇気、卑劣、野望。激しい戦の中で、人間のいろいろな姿、生き方が、浮かび上がります。そして、最後の決戦では、泣けます。<P>小競り合いを含め、戦闘シーンが比較的多く、かなりスピード感がある本です。騎馬での戦闘シーンなど、同じ著者の三国志の熱い戦いが蘇るような感じでした。<P>途中で、読むのやめられなくなりますので、ネンのため。<BR>上下巻、ぜったい、一緒に買っとくべき本です。