今度のこの本は現代風の普通の文章で読むことができます。今まで,白川氏の本で挫折した人にもいいですよ。この本で慣れたら,今までの白川氏の本も読めるようになるかもしれません。<BR> 内容は,もちろん素晴らしいです。
この人のおかげで,本場中国で,漢字の解説を,書き換えなくては、ならいくらいの碩学。故高橋の本にも出てくる人。学問真に愛する人。本当に学生のために書いてくれたのは,ありがたい。
子供の頃、近所の何とかさんのお父さんはお休みには辞書を読んでいると聞き変わった人もいるものだと子供心に思った。その後私も漢字の不思議、なぜ「風」の中に虫がいるのか、「解」の中に牛がいて、「燃」の中に犬が、「菊」の中の米、等など誘われの身となる。休日には漢和辞書、国語辞典と百科事典を手元に置き、陽光さす窓辺で漢字の世界へ。当初は諸橋轍次の新漢和辞典で、ついで鎌田・米山の漢語林(会社)と藤堂明保の漢字源(家)へ。さらには最近では漢字源、国語辞典などを搭載したハンディなズーム機能つき電子辞書には重宝している。振り返ると、手元の視力の衰えとともに辞典の中の文字の大きさも次第に大きくなってきている。機能的には今のままでも十分である。<P> だが今タイミングよく白川静の「常用字解」が登場した。今後も手元視力の衰えに対処すべく携帯性を犠牲にしても、買いである。なんと言っても文字の大きさがわたくし用であるから。