鼻行類の事は高校生の時読んだ柴田昌弘の短編漫画ではじめて知りました。あまりの衝撃に速攻で図書室に駆け込んだらありましたよ、この本が。(司書の方の選書のセンスに拍手!)当時絶滅した動物たちに心惹かれていた私は夢中で読みました。驚くべき新化を遂げた彼らを学術的に冷静に、丁寧に描いていて、現実とファンタジーの境界があいまいになる不思議な感覚を味わいました。私の好きだったエピオルニスという鳥は絶滅したのはそんなに昔のことじゃないのに卵のかけら(だったかな?)が見つかるまで存在したことを疑問視されていたこと思い出し、うまいなーこの終わり方は、と感心したものでした。
はじめて読んだのは大学生のときだったと思います。<BR>とにかく驚きましたよ。で、半ば興奮気味に一気に読んで、最後の最後まで読んで、よくよく読んで・・・。<BR>あー、なるほどねー。そうだよねー。<BR>に、してもうまいっ!<BR>とにかくちょっとしたサイエンスファンは必読です。<BR>私が読んだ本の中で、最も他人に読ませたい本です。
その昔、ハイアイアイ諸島に生息していたという『鼻行類』について記した貴重な書物。<P>その『鼻行類』とは何ぞやというと、特に『鼻』が進化し、特殊な機能を持つにいたった動物たちのこと。そこには、分岐した4本の鼻で逆立ちして歩き回る者あり(モルゲンシュテルン オオナゾベーム)(後肢は退化、前肢は物を掴むことができるが、体を支えることはできない。尻尾を使って高い枝の木の実をとる)、鼻がダチョウの脚のように発達し、その筋力で跳びはねる者あり(トビハナアルキ)、6個に分かれた鼻を広げると6弁の花のように見え、これに惑わされて飛んできた虫を捕食するものあり(フシギハナモドキ)(驚くことに、この種類は一生移動しない)、粘着質の鼻水(!)を水辺からたらし、これに引っかかった獲物を食べるものあり(ハナススリハナアルキ)・・・もう、オーストラリアの有袋類なんかカスんでしまうくらいの多様性と意外性。<P>とにかく、ここにはフシギがいっぱいなのです。ぜひ、ご一読あれ。