本書の最初に、「情報デザインという営為は、いわゆるプロの「情報デザイナー」たちだけの専売特許ではない。」という文章があり、これはまったくその通りだと思う。<BR>「情報をデザイン化する」とは、ようするに、「いかに効率よく、分かりやすく伝えるか」というコミュニケーション能力の問題なのだ。<P> 本書によれば、情報を組織化する方法は五種類しかないそうだ。<BR>(1) カテゴリー<BR>(2) 時間<BR>(3) 位置<BR>(4) アルファベット<BR>(5) 連続量<BR> 各項目の詳細に関しては、興味のある方は実際に本文を読んでもらうとして、基本的・根底的な思想から、具体的・実用的な考え方まで、豊富に実例を挙げてかなり要領よくまとめていると思う。<P> 特に、これからサイトを構築を考えていたり、「情報を発信する側」に廻ろうとする人には、是非お勧めしたい一冊。
よくデジタル社会は0か1の単調な世界で、従来の対面型コミュニケーションの方が豊富な内容を持つということが言われますが、この本は、こうした考え方が間違っていることを教えてくれます。デジタルの世界になって、人間はさらなる自由な表現力を手に入れたが、それが適切に使われていないだけで、今後様々な表現力が開拓されてくれば、より豊かに世界を感じることが出来るようになるのではないかと思います。また、デジタル社会は従来の対面型コミュニケーションと対立するものではなく、対面型を補足し、より豊かにすることも可能なのではないでしょうか。今後より多くの人がこの本を読んで、より豊かな世界がやってくればと期待します。
他のレビュワーも書いているように、<BR>情報デザイン入門といいつつも、各論や著者の見解は少なく<BR>各項目のダイジェスト=総論に終わってしまっている。<BR>サインプロジェクトなど重要な仕事にも携わってきた著者だけに<BR>含蓄のある話が読めないのはいささか残念。<P>しかしながらダイジェストとはいえ、各項目は<P>なかなか細かい事まで押さえてあったりもして面白い。<BR>デザイン関係の教科書でも載せてない知識などもあり<BR>デザインと情報というテーマを縦貫する豆知識本としては<BR>あながち捨てたものではない。<BR>知識のインデックスとして活用するのがよいのかも。<BR>ある意味豆知識系ホームページ的な「軽さ」をもった本ともいえる。