社員のやる気向上策の企画に役立てばと思い購入してみました。全般を通して感じたのは、社員を「その気にさせる」、「のせてしまう」社長の人心掌握術です。 特に、社員が「やらなければならないから、やる」のでなく、「やりたいから、やる」という風土は涙が出るほどうらやましい思いでした。 本の中で、こんな話しが載っていました。<P><遠方の娘に当地で有名なケーキを送りたいと思っていた人がいた。ケーキの宅配は、型崩れ等の問題があるからということで、当地の宅配業者からはことごとくことわられ、失意していたところ、その人は、当地のサウスウエスト航空の貨物係とかけあった。貨物係は、(宅配業務は本来の業務ではないのに)そのケーキを航空機に載せて運んでさしあげます、と快諾した。そして、ケーキは完全な形で遠方の娘に届いたという話し。> この話しを読んで感じたのは、きっとこの貨物係の人は、ハートで動いたんだろうなということです。 そしてもっと大事なのは、この「ケーキを運んだという事実」を耳にした上司や社長が、「いや~、いいことしたな~。さすが○○さん!」なんて言ってしまう風土なんだと思います。<P>この取扱いができたのは、きっとこの貨物係が 「この俺の行為は、社長もきっとわかってくれる」という自信があったからなのだと思う。(普通の会社なら「勝手なことをしやがって、君はうちの会社の仕組みがわかっているのか!」と怒鳴られるかもしれませんね)<P>やっぱり、「社員は社長の影だ、社長が動く通りに社員も動く」、とある研修の先生が言っていたことを思い出しましたが、やっぱり社長の考えがどうあるべきかが決定的であることを再認識してしまいました。
アメリカのサウスウェスト航空の話。驚異的に安い航空運賃は、さまざまな努力と熱意の結果だった。余分なサービスを省き、可能な限りフライト間の地上滞在時間を短縮し、その最短記録はなんと4分!<P>日本航空よりも大きな規模で、過去25年間連続黒字。その背景にあるのが本のタイトルの考え方。本を読んだ後『顧客第一主義』ではなぜいけないのかがわかるような気がする。<P>社員採用の第一条件は「ユーモア」、次に知性...「空の旅は思いきり面白くなくては!人生は短く、辛く、深刻なんだから...」とはCEOのケレハー社長の言葉である。<P>ビジネスの領域は違っていても大いに参考になった本でした!
日本航空の元チーフパーサーがサウスウエスト航空を取材した本です。お客様よりも社員を大事にしてください、という本ではありません。会社の経営陣が心から社員を愛し、社員を信じて楽しく働ける会社にしたいと思い、社員にその気持ちが伝われば、社員のお客様に接する気持ち・態度も自然と同様になります、ということを描いています。昨今“エンパワーメント”ということが言われていますが、『ノードストローム』や『サウスウエスト』がまさに“エンパワーメント”を実現している会社ではないでしょうか。言い換えれば“現場第一主義”。この本を読めば必ず『NUTS!』(邦題:破天荒!)を読みたくなるはずです。