「素人の、素人による、素人のためのマーケティング。」この一言に尽きる本です。著者の専門が『マーケティング』ではなく、『戦略論』であることからも、私自身の友人の意見も、「賛否両論」といった感じです。大体、良書と評価:4割、悪書と評価:6割といった感じです。ちなみにこの評価のサンプル母体は、マーケティングを専門としています。マーケティングを生業としている人たちから見て本書が悪書であるなら、やはり悪書なのかな、そう思ってしまいそうですが、私の意見は異なります。思うに、これ1冊でマーケティングというものの全てを知りたい、そう思って本書を手にした場合、とんでもない勘違いとともにマーケティングというものを理解してしまうことでしょう。しかし、本書を“入門の入門書”!して手早く、1~2週間で読み終え、その後、コトラーやアル・ライズ、セス・ゴーデン、セルジオ・ジーマンといった著名なマーケティングの論客の本を“たくさん”読もうと思っているのなら、本書は大変有効です。専門家でないということが有効に働いているのか、『素人の、素人による、素人のためのマーケティング』が本書では実現しているのです。著者は「用語解説集のようなものは目指していない」みたいなことを言ってますが、用語説明は大変分かりやすい。構成も標準的。なかなかいい本だと思います。大体『戦略』と『マーケティング』は兄弟みたいな物です。『戦略』的でない人が、『マーケティング』で成功する確率は少ないと思いますよ。一部に誤解があると思うんですけど、『マーケティング』は市場調!だけが仕事じゃない。調査で得たデータを加工して、『情報』にし、そこから戦略的なプランを立てて、実践して、結果を次につなげるところまでがマーケティングだと思うんです。というわけで、マーケティング初心者の方は、使用方法に気をつけて正しくお使いください。
こんなに易しい記述で、マーケティングと戦略を理解できるとは・・・、と素直に感動してしまった。
わかりやすさと程度の低さは、本来はべつもの。<BR>マーケティングのごく一部分だけをとうとうと説明している展開が気になる。初学者を対象にしているならなおさらのこと。全体像をきちんと示さなければ、誤解を生む。害あって益なしとなる。